コラム
家事室の間取り例や活用アイデア、
後悔しないポイントを徹底解説!
家づくり
2025.11.10
共働き世帯が増えている昨今、効率的に家事ができる「家事室」が注目を集めています。ただし、配置や広さを誤ると、使いにくさを感じて後悔する可能性があるため注意が必要です。
本記事では、家事室のメリット・デメリットや活用アイデア、後悔しないための注意点を解説します。家事室がある住まいの施工事例も紹介しますので、今後の家づくりにお役立てください。
家事室とは?
家事室とは、家事を効率的に行うための空間です。洗濯やアイロンがけのほかに、デスクワークや裁縫といった事務作業・趣味にも利用されることから「ユーティリティスペース」とも呼ばれます。
まずは、家事室のメリット・デメリットを詳しくみていきましょう。
家事室のメリット
家事室をつくる主なメリットは、以下のとおりです。
- 家事動線を短縮できる
- 整った空間を維持しやすい
家事室があると家事動線を短縮でき、日々の負担を軽減できます。たとえば、家事室をランドリースペースとして利用する場合「洗う・干す・畳む(アイロンがけ)・収納する」という一連の作業を1か所で完結できます。
また、リビングなどの居住空間を整った状態のまま維持しやすい点も、家事室をつくるメリットの一つです。
収納スペースとして活用することで、生活感のないおしゃれな雰囲気を維持でき、急な来客があった場合も慌てることなく対応できます。
家事室のデメリット
家事室をつくるデメリットは、以下のとおりです。
- ほかの空間が狭くなる可能性がある
- 家事をする間は家族とコミュニケーションがとりにくい
家事室を設けることで、リビングや収納が狭くなる可能性があります。一部屋を増やす分、建物面積を大きくするという選択肢もありますが、土地代や建築費用に影響を与えるため注意が必要です。
また、家事室が独立している場合、家事をしている間は家族とコミュニケーションがとりにくいというデメリットもあります。家族との会話や見守りがしにくく、子どもが家事を手伝う機会も逃しかねません。
使いにくさを感じた結果、家事室の利用頻度が低下して不要なスペースとなる可能性があります。
家事室の活用アイデア
家事室は個室として設けるケースが一般的ですが、部屋の一角を利用する場合もあります。家事室の活用アイデアを4つ紹介するので、どのような配置にするか想像しながら、ご自身に合った活用方法を検討してください。
パントリー
家事室は、備蓄食品や日用品のストックの保管場所(パントリー)に利用できます。パントリーはキッチンの脇に設けるのが一般的ですが、スペースの確保が難しい場合は、ほかの用途と兼ねても問題ありません。
たとえば、ウォークインタイプのパントリーは、一角に机と椅子を置けば、作業スペースとしても利用可能です。
調理の合間にもデスクワークや趣味に励めるほか、食品や日用品の在庫状況を一元管理できるメリットもあります。
ランドリースペース
家事室にハンガーラックやアイロン台、収納スペースを設けると、洗濯に関する家事を一部屋で完結できます。脱衣所と隣接させれば、洗濯の前工程である洗濯物の回収もしやすいです。
家事室に洗濯物を干す場合は空間の多湿化が懸念されますが、換気設備を整えておけば比較的快適に過ごせます。机と椅子を置いて、デスクワークや趣味のための書斎を兼ねるのも選択肢の一つです。
ファミリークローゼット
広めのファミリークローゼットをつくり、家事室と兼ねるというアイデアもあります。家族の衣類を一カ所で管理できるほか、十分な広さを確保することで、衣類のスムーズな出し入れが可能です。
また、台を置けばアイロンがけや裁縫ができ、家事効率の向上も期待できます。ファミリークローゼットは家族が出入りする頻度が低く、作業に集中しやすい点もメリットです。
洗濯作業を効率化したい場合はランドリースペースと隣接させる、朝の支度をスムーズにしたいなら寝室内に設けるなど、配置を工夫しましょう。
作業スペース
家事室を一つの個室と捉えて、家計簿・日記などの記録やデスクワークのための空間として利用するという選択肢もあります。個室はリビングやダイニングに比べて家族の出入りが少ないため、集中できる環境をつくりやすいです。
1.5~2畳程度の広さを確保できれば、階段下などのデッドスペースを活用しても問題ありません。天井に階段の勾配はありますが、居住スペースや収納スペースを削ることなく家事室を確保できます。
家事室で後悔しないためのポイント
家事室で後悔しないためには、必要性を検討したうえで、配置や広さ、設備にこだわった設計をすることが重要です。5つのポイントを理解し、長く快適に利用できる家事室をつくりましょう。
設置の目的を明確にする
家事室で後悔しないためには、設計前に家事室の設置目的を明確にすることが重要です。用途に合わない設計をすると、居住後に使いにくさを感じたり「不要だった」と後悔したりする可能性があります。
まずは普段行っている家事をリスト化し、家事室を利用することで効率化が見込めそうな作業を抽出しましょう。
動線を意識した配置にする
設計時には、家事室で実際に家事をする様子を思い浮かべながら、効率的に進められる最適な配置を検討します。
たとえば、家事室で洗濯物を畳む・アイロンがけをしたい場合は、ランドリースペースやファミリークローゼットとして活用・併設するのがおすすめです。
子育て中または今後子どもが産まれる予定の場合は、家族を見守りながら作業ができるような配置を検討することも重要です。
子どもが大きくなるまでは収納スペースとして活用するなど、状況に応じて用途を変えられる間取りにするという選択肢もあります。
最適な広さを検討する
家事室の一般的な広さの目安は1.5~3畳ですが、適度な間取りは用途によって異なります。洗濯物を畳む、アイロンがけをするといった作業をスムーズに行うには、2畳以上の広さを確保するのが理想です。
また、家事室に作業台や収納棚を設ける場合も、動線を妨げないように広めのスペースを確保するのがおすすめです。床面積に限りがある場合は、壁面を有効活用するなど、レイアウトに工夫を凝らしましょう。
換気・採光に配慮する
湿気が多く暗い空間は、カビの発生リスクが高まるうえに家事が捗りにくいという課題を抱えています。
換気扇を設置し、窓の配置にこだわることで、明るく気持ち良い空間で家事をこなせます。除湿器の設置や、24時間換気システムの導入も効果的です。
収納スペース・コンセントの数を工夫する
家事室を快適に利用するには、必要なものをすぐに取り出せる収納の工夫が求められます。たとえば、使用頻度が高いものを手元に集約することで、不必要な動きが減り作業効率が向上します。
家事室は必要最低限の広さでつくるケースが多く、居住後に収納を増やすと、窮屈さを感じる可能性があるため注意が必要です。
また、家事室の快適性を左右する要素の一つに、コンセントの配置計画があります。使いやすい家事室をつくるには、最適な位置に必要数のコンセントを設置することが重要です。アイロンがけや掃除機の充電、パソコン作業など、家事室を実際に利用する様子を思い浮かべながら設計しましょう。
家事室のある住宅の施工事例2選
家事室のある住まいの施工事例を紹介しますので、今後の家づくりの参考にしてください。
家事室のある薪ストーブ×アーチ土間の平屋
薪ストーブのある土間とリビングがつながる、おしゃれな平屋の施工事例です。
キッチンは1枚の壁でダイニングと区切った設計で、開口部から家族の気配を感じられます。家事室にも同様の設計を取り入れ、集中しやすく落ち着いた空間が完成しています。
田んぼの中に建つ黒い平屋
「自然と暮らす生活」を望むご家族による、いつでも田畑を眺められる住まいの施工事例です。大きな障子戸を開くと田園風景が一面に広がり、室内外が一体化したような感覚を体感できます。
家事室のアイロン台は引き出し式で、すっきりとした空間を保つ工夫が凝らされている点も魅力です。
家事室のある間取りで家事効率の向上と整った空間づくりを叶えよう
家事室は家事効率の向上と整った空間づくりにおすすめの間取りですが、配置や広さによっては後悔を招く可能性があります。設置の目的を明確にしたうえで、信頼できる設計事務所に施工を依頼しましょう。
コラボハウスでは、設計士が家づくりを最初から最後までサポートしています。お客さまの希望やライフスタイルを丁寧にヒアリングし、法規制や予算を考慮したうえで最適なプランニングを行います。
コラボハウスに興味がある方は、気軽に無料相談へお越しください。
家事室(ユーティリティ)の間取りに関するよくある質問
家事室は何畳あれば十分ですか?
最小は 1.0〜1.5畳 でも成立します。ただし以下を含めると 2〜3畳 が理想です。
・造作カウンター(アイロン・裁縫)
・可動棚収納
・プリンター・文具・学校書類の保管
“収納+作業”を両立したい場合に2畳以上が推奨されます。
家事室はどこに配置するのが正解ですか?
動線とセットで配置することが重要です。特に人気なのは:
・ランドリー → 家事室 → ファミリークローゼット
・キッチン横に配置して家事の同時進行
・2階ホールに配置して洗濯を完結
家事室は“単独の部屋”ではなく 家事動線の一部として設計することが成功のポイントです。
家事室に必要な設備はありますか?
以下があると満足度が大きく向上します。
・造作カウンター(奥行45〜60cm)
・可動棚収納(高さ調整可)
・コンセント複数(アイロン・PC・充電)
・換気扇 or 小窓
・引き戸(開閉スペースが不要)
造作カウンターと収納の“セット設計”が実用性を高めます。
家事室はリビング学習スペースとして兼用できますか?
可能です。実例では“多目的スペース化”が主流になっています。
・学用品の管理
・PC作業・リモートワーク
・郵便物・書類・プリント管理
→ リビングに学習用品が散らからない
“家事+学習+書類管理”をまとめられる点が、共働き家庭に最も支持されています。
家事室とワークスペース(書斎)の違いは何ですか?
| 項目 | 家事室 | ワークスペース |
| 目的 | 家事・収納・事務・子ども対応 | 仕事・読書・趣味 |
| 配置 | キッチン・ランドリー周辺 | 静かな場所(2階など) |
| 広さ | 1〜3畳 | 1〜3畳 |
| 優先要素 | 時短・動線・収納 | 集中・プライバシー |
家事室は“動線の中にある作業スペース”、書斎は“集中のための独立スペース” という違いがあります。
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