コラボハウス愛媛一級建築士事務所

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BLOG

2019/12/14

設計士 池内健

そこに建築が出来るということは、

今回は、これまで建築に関わってきて お客様の声を聞く という点以外で設計者がどんなことを考えているのか、

ということを個人的な立場から、池内がお伝えしたいと思います。

 

要点をまとめると、以下の4点になります。

 

1-そこに建築が出来るということは、環境を変える ということ。

 

2-環境を変える ということは 悪 なのか?

 

3-人間だけじゃない、植物 と 環境破壊者

 

4-生物の視点で 考える 土地選び

 

1-そこに建築が出来るということは、環境を変える ということ。

 

設計者が ある程度経験を積んで、たくさんの案件のお手伝いをして行く中で、ふと頭によぎることの一つだと個人的に思うことに、自分たちがやっていることは ある種の環境破壊に手を貸しているのではないか?と疑問をもつことがあります。

 

昔、小学校の帰り道に歩いた田んぼが分譲地に変わっていく。遊んだ裏山だったところが建売の住宅地になる。規模の大小あれ、片方でたくさんの人たちの幸せな家庭の第一歩を踏み出すことお手伝いをさせて頂き、幸福を分けて頂いたと実感し 、 もう片方でそれまであった環境が一変するインパクトをそこへ与えていると実感します。

 

それは、新しいお店を出されるお客様や、それまでお店をしておられたお客様がお店を閉められる時にも同じで、田んぼが住宅地に変わり、それまでとは異なる賑わいや憩いが生まれるようなインパクトが環境には与えられています。

 

新しい建築が出来るということは、

少なからずその環境を変えるインパクトを与えることだと言えます。

 

2-環境を変える ということは 悪 なのか?

 

では、環境を変える ということは 悪いことなのでしょうか?

 

自然災害がニュースで流れ、しばしば埋め立て計画や造成計画で宅地化された環境の被害の写真がアップされ、無理な計画の結果でそのような被害が起きたのだと報道されることがあります。

 

大型の重機を民間の工事でも使えるようになったのは、つい最近で

それ以前にはなかった規模で山が削れ、海が埋め立てられ出したのは 戦後以降が主です。

それまで人が手でやっていた作業が機械化され、小型で非力だった機械が大型化して自然が長い年月をかけて改変することを、数年で成し遂げる力を得たのはつい最近のことなのです。それが意味することは、ものすごい力を得ている一方で、私たちはこの力の扱い方に対して、まだたいして知識しかないということだ思います。

 

ここ重要なのは、力の使い方 を 間違えてはいけない。 ということなのです。

そして、単なる一市民である私たちですら それくらいの大きな力を動かせるだけの 

資金力も技術力も発言力も持っているということです。

 

 

3-人間だけじゃない、植物 と 環境破壊者

 

こう書いてくると、人間だけが環境破壊をしているような錯覚に陥りますが、私はそうではないと思っています。そして、そこが私が建築の設計に携わるモチベーションの一つにもなっています。

 

端的に例を出すと、

環境保存の象徴のようにあげられる 緑の植物たち

あれこそ、地球史上最大の環境破壊者 の 一つだと言い切ってしまいたいです。

しかしも、この植物という生物は、地球が生まれた当初から地球上にいたのかというと、そうではなく、約45億年前に地球が誕生してから、約40億年程度過ぎた後の、地球全体からみたらごく最近の出来事に過ぎないのです。

 

どういうことなのか?というと、

ご存知の通り、植物は光合成という特殊能力によって、

光を受けて、そのエネルギーを原資に、酸素を生み出すことが出来ます。逆に言うと、植物という種が地球上に存在するまでは、地球上の空気中に占める酸素の量は全く違っていました。温暖化が叫ばれる昨今、二酸化炭素の濃度が問題視されていますが、植物が登場するまでの地球は現在の約15倍の量の二酸化炭素が空気中に存在したのではないかと推定されているそうです。それが、植物が地球上に登場したら、空気中の二酸化炭素濃度は90%も落ち込み、現在の空気中に20%程度が酸素が占める環境が生まれます。

 

温室効果ガスとして、二酸化炭素がやり玉にあげられることからも わかるように

二酸化炭素の濃度が90%も落ち込めば 地球は断熱材で包まれた家からガラス張りの家のようになったも同然で太陽の熱を閉じ込めていることが出来なくなり、非常に冷え込みます。それが赤道直下のような常に太陽が降り注ぐところであればいいですが、北極や南極のような季節によって太陽の日射量の大きいところでは、もう大変です。寒暖差が非常に激しい環境になって、寒かったり暑かったり、これまでとは全く異なる環境が出現しました。

 

さらに、酸素は 呼吸する上で重要なものなので、非常に良いもの と思われがちですが、ほかの物質とくっつきやすく、すぐに物質の性質を変化させてしまいます。海岸沿いで金属が錆びてもろくなる、ということがよく見受けられますが、あの状態を酸化した、という言葉で言い換えられるように、酸素と他の物質がくっつくとその物質が脆くなることがよくあります。これは、金属のような物質だけでなく、山々をかたちづくっている岩や石にも言えて、空気中の酸素濃度が高くなっているということは、空気に触れている岩や石が脆くなり崩れやすくなる。崩れやすくなると、当然ながら雨が降ると土石流となり、下流へと流れ出ていき、地形が変わっていく。このように、ただ空気中の酸素の濃度が変わっただけであったことが引き金となって、地形までもが変化していきました。

 

そして、私たち人間も当たり前のようにしている 呼吸 という活動。酸素はキャンプなどで薪で火を起こしたことがある人なら実感出来ると思いますが、火をより良く燃やすことに大きな力を発揮します。しかし酸素が地球の空気中に少なかった時代には、当然ながら呼吸という活動を行うメリットはほとんどありませんでした、たまにしかめぐり合えないオアシスにだけ頼って大きな水筒をもって砂漠を渡り歩くようなリスキーな戦略です。

それが酸素がそこら中にあふれ出たらどうでしょう。オアシスを頼って、大きな水筒をもつ必要もないし、他の代替手段で我慢する必要もなくなります。いかに上手に呼吸出来るか?が生き残るための大きな課題となる環境となり、それまでとは全く異なる生物が地球上にあふれるようになります。植物という一つの種の登場が、このように他の生物のあり方を大きく変えてしまったのです。

 

どうでしょう?ここまで書くと、人間が行っていることなんて、幼稚園児が砂場遊びしている程度の大したことでもないように思えてきませんか?

 

 

4-生物の視点で 考える 土地選び

 

では、大昔に植物がしていること と 現代に人間がしていること の違いはなにか?一つの大きな違いに変化の速度の違いがあります。確かに植物は非常に大きな変化を地球にもたらしましたが、その進行速度は現在人が行っていることよりも非常にゆっくりとしたものでした。どのくらいゆっくりかというと、数千万年~1億年という時間をかけて変化していった過程です。それに対して、人が起こしている変化は数十年から百年というスケールで起こっています。100万倍くらいの開きがあります。

 

呼吸すること をしらなかった生物が 呼吸することを ゆっくりと体に身につけていったように、泳ぐことを知らなかった子どもが、水の中で泳げるようになるように、それまでやって来ていなかったことをやるには時間が必要である。ということです。じゃあ、なにがそれまでやってきていなかったことなのか?

 

話を、田んぼや裏山の話に戻すと、田んぼや裏山には人が住んで来なかったということです。確かにその地域には広い意味では住んできていたかもしれないですが、そこに人が住むようになったのは、本当の意味でつい最近のことなのです。そういう意味で、それまで田んぼや裏山に住むということは 実は大いなる開拓者なのだと言えます。私はそこでは建築は、植物たちのように新しい環境に対する戦略を生み出す母体・基礎となる役割を果たすべきだと考えます。

 

豪雨や台風などで数十年に一度とか、百年に一度とか、観測史上最大いう言葉を聞いたりしますが、近代的な観測を行い始めたのは、この地域に人が住み始めたことから見たら、ほんのこの最近の出来事なのです。ハザードマップを確認して、選んだ敷地が災害時にどのようになるのか?しっかりと確認することは必要最低限の内容で、今後ますますデータが蓄積されて質が向上していくことは間違いないですが、もっと多角的に敷地を見ていって頂きたいです。その一つに先人の知恵を借りる、という手段があると思います。

 

生物が少しずつ、進化をしていったのは、先人たちが積み上げていったものを参考にして、それに一つ、一つ次のブロックを積み上げていっているからに他なりません。人はその知能によって、ブロックを一気に何段も積み上げることが可能ですが、それでも先人たちを軽視して良いことには繋がらないと思います。幸いなことに、現代情報社会においては、様々な方々の努力のおかげで今の地図や航空写真と昔の地図や航空写真を比較することが容易に出来るようになっています。国土地理 や 今昔マップ というキーワードでGoogleで検索頂ければそれらしいものが出てくると思います。

 

地図や航空写真を比較して、そこに集落の気配がなければ、この数十年で新たに街が開かれた場所です。ハザードマップでそこが危険地域に該当していれば、自分たちがリスクを背負っていることを認識してください。その上で、設計士と相談して家づくりに挑んでください。例えばイタリアのベネチアのように、海の上に街を築き上げた栄えた例があるように、デメリットとメリットは時には同時に存在する可能性もあり、そのための戦略を練るべきでしょう。

地図に集落が載っていれば、数百年人が住見続けるのに耐えられてきた環境である可能性が高いです。その代わり、古い集落特有の狭い込み入った街路などが存在したり、大きな屋敷が分譲されて分割された結果、本来持っていた住環境から変わっている可能性もあります。例えば、東西方向に風が吹き抜けやすい環境だった場所であれば、意図的に東西に庭を設けて風の通り抜けに配慮して暮らしてきていたりします。それが敷地が小割になる過程で、東西方向の風を期待出来なくなり、異なった戦略が必要になったりします。

 

人はこの数十年のあいだに劇的に技術力を向上させてきました。最初に書かせて頂いたようにそれまでには考えられないような力を、私たちのような一市民ですら持つに至っています。それまでとは異なった戦略で住まう可能性。これまで行ってきた戦略をより研ぎ澄ませる可能性。この力は様々な可能性に対して開かれています。もちろん、自分の首を絞めて破滅へと追い込む方向にも。自分の周囲にある力を正しく選択してください。より良い暮らしを得るために。

 

 

投稿者:collabo

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