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敷地の周りに遊戯店や飲食店が多いため、外は閉じて中に広がる中庭を希望していたご夫妻。それを聞いて提案したのが2つの中庭を配置した間取り。メインの中庭はウッドデッキになっており、リビングのつづきとしても使える。サブの中庭は、植木をメインに坪庭の雰囲気。中庭が重なり合い、ガラスに映りこむ木々のおかげで林の中にいるような感覚に。外の喧騒を忘れる、静かで奥行きあるお家が完成。

▲小上がりの和室はリビングのソファ代わりにも。洗濯物を畳むのにも便利

▲L字型の框と天井の間接照明で洗練された印象

▲リビングからひと続きになった中庭

▲焼き物の洗面ボウルによく合うタイル調の壁紙

▲室内干し用の黒のスチールを天井に配置

▲中庭に囲まれた廊下はちょっとした客間に。リゾートホテルのような開放感

Designer’s comments

行きつけのお店を手がけていたご縁から、スタジオにお越しくださったお施主様。周辺の環境から「外に開かず、内に広がる住まいにしたい」とご要望をいただき、ふたつの中庭を中心に据えたプランをご提案しました。

リビングとつながるメインの中庭は、ウッドデッキと植栽で外とのつながりを演出。夜にはコーヒーを片手に空を眺める、そんな時間が日常にあると伺い、とても嬉しく思いました。

もう一つの坪庭は、ガラス越しに映りこむ木々の美しさが印象的で、「まるで林のなかにいるみたい」とお施主様が笑顔で話してくださったのが忘れられません。

玄関はし字の框や玉砂利の洗い出しで仕上げ、奥の和室へと抜ける視線も意識して設計しました。中庭と空間のつながりを意識することで、家全体が柔らかく広がりを感じる構成になったと思います。

「想像を超えるプランだった」とおっしゃってくださったその言葉が、この家づくりでなによりの宝物です。