腕きき職人ルポ
一軒一軒想いを込めて
心に響く見物をつくる
大工/北田 賢

大工の父をもち、ものづくりが好きだったことから高校卒業後は何の迷いもなく、大工の道を選んだ北田さん。父・嘉秀さんの元で新築・リフォームなど木造建築物の繊細な技術力を磨き、父とともに南部エリアを中心に、年間12棟ほどの住宅を手掛けている。
大工人生で転機になったのが3年前。施主様から直接依頼を受け、一般住宅を一から手掛けることになった。
「元請けというのは、すべての作業を引き受けなければいけません。手探り状態ながら父と二人で、価格から工期・工事の進め方まで順序立て、一つひとつ丁寧に作業していきました」。
この経験こそ、自分を成長させてくれると同時に、自肩に繋がったという。
また、コラボハウスとは大阪スタジオがオープンして以来の付き合いだが、造作家具や建具など新しいことへのチャレンジは楽しく、職人冥利に尽きるという。
「無垢の床が標準仕様だったり、天井や壁の下地など見えない部分だからこそのこだわりだったり、家づくりに対する熱意を感じます」。
これからも父と二人三脚で、守るべき伝統的な技術と新しき発想を享受し合いながら、心に響く建物をつくり続ける。
大工
北田 賢 Kitada Ken
2001年生まれ。大阪府岸和田市出身。上宮太子高等学校総合進学科卒業。父・嘉秀さんが代表を務めるKITADA建築で木造建築物の技術を習得。「喧嘩をしながらもストレートに物事を言い合えるのが利点」と親子で南部エリアを中心に活動。最近、マイクロバスを購入にキャンピングカーにカスタマイズしたばかり。全国各地を回るのが夢。