腕きき職人ルポ
子どもながらに感じた職人技のかっこよさ
施主様と関わりながら楽しみ続ける
大工/北川 翔太

北川さんが中学生の時に自宅を新築。子どもながらに目に映る職人技はすべてが眩しかったそうで、
「土台の据付から建物の柱、梁、天井などを組み上げ、高所をススッと速足で移動しながら作業するところまで、なにもかもがかっこいいなと思いました」。
高校を卒業すると、知り合いに紹介してもらった親方に師事。技術だけではなく礼儀、私生活に至るまで徹底的に教えてもらった。
「憧れて入った世界でしたが、釘一本打つのも難しい。意味のある打ち方をするようにと、何度もやり直したこともありました」。
とはいえ、16年の職人人生で一度も辞めたいと思うことなく、この道一筋で向き合えたのは、お施主様の喜ぶ顔が見られるから。
「建築途中をうれしそうに見て回る姿や完成後に満面の笑みでありがとうと言っていただけるだけで十分」
と、弟子の時代からこれまで出会った施主様の顔、やり取りのすべてを覚えているそう。
独立して8年、現在は棟梁としし弟子3人を抱え、伝統技を伝授していく立場になった。これまで培った技術だけではなく、施主様に対する真心含め、北川さんの根っこにあるスピリットも引き継がれていくに違いない。
大工
北川 翔太 Kitagawa Shouta
1989年大阪府和泉南郡熊取町生まれ。子どものころ芽生えた夢はぶれることなく、大工職人として真剣に、楽しく家づくりに向き合う。プライベートでは3人のお子さんを持つパパ。お風呂に入れたり、公園に行ったり、家族と過ごす時間がリフレッシュになっているそう。