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住宅ローンを頭金なしで組むメリット・デメリットとは?
後悔しないためのポイントを解説

お金について

2025.12.15

住宅ローンを頭金なしで組むメリット・デメリットとは?後悔しないためのポイントを解説

住宅を購入する際、住宅ローンを組んで購入する方が多いです。なかでも、住宅ローンを頭金なしで組むことができれば、資金の捻出に苦労せず憧れのマイホームを持つことができます。しかし、一般的に頭金なしで住宅ローンを組むことは可能なのでしょうか。また、住宅ローン審査に不利になるなどの注意点はあるのか、不明点も多いです。

本記事では、頭金を準備する場合の金額目安や、頭金なしで住宅ローンを組むメリット・デメリット、返済計画で失敗を避けるためのポイントなどを詳しく解説します。ぜひ最後まで読んで、自分に合った住宅ローンの選び方を見つけてください。

頭金なしでも住宅ローンは組める?

住宅ローンは、頭金なし(フルローン)でも組むことが可能です。近年は低金利が続いていたり、住宅購入年齢が上昇していたりするため、頭金なしでも融資を承認する金融機関が増えています。物件価格の全額に加え、不動産取得に伴う仲介手数料や登記費用といった諸費用まで含めて借りる、オーバーローンに対応しているところも出てきました。

ただし、フルローンを組むには向き・不向きがあります。フルローンに向いているのは、返済比率が25%以下など無理のない返済計画が立てられるケースです。十分な貯蓄があり、引越し費用や将来の修繕費用などをすぐに用意できる状態であることも重要になります。また、フルローンでも金利が低い金融機関を見つけられるのが前提となるでしょう。

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頭金の目安

住宅ローンの頭金は、物件価格の10〜20%程度が目安となります。例えば、3,000万円の家を購入する場合は、300万~600万円程度の準備が必要です。20%程度の頭金を用意できると借入額を減らせるため、毎月の返済額や総支払利息を抑えやすくなります。実際には頭金なし(フルローン)で借りる方もいれば、頭金を5〜10%程度準備するケースも多いです。

頭金なしのフルローンで住宅ローンを組む場合は、借入額が増える分、審査条件が厳しくなり返済期間中の負担も増えます。そのため、収入、貯蓄、将来の支出計画など、さまざまな視点から総合的に判断してフルローンを組むのか、頭金をいくらに設定するのかを決めることが大切です。

頭金なしで住宅ローンを組むメリット

頭金なしで住宅ローンを組むことで、以下のようなメリットを享受できます。

  • 頭金の準備期間を設けずに住宅購入が可能
  • 手元に資金を残して将来必要な資金にまわせる
  • 住宅ローン控除の恩恵を十分に受けられる
  • 物件購入のタイミングを逃さずに済む

それぞれ詳しく解説していきます。

​​​​頭金の準備期間を設けずに住宅購入が可能

頭金なしで住宅ローンを組むメリットの一つは、貯蓄が十分になくてもマイホームの購入が可能になる点です。頭金を貯める期間が不要になり、若いうちからローンを組めます。年齢が若いことで借入期間を長く設定できるため、月々の返済負担を抑えられるのも利点です。

貯蓄がない状態で物件価格の10~20%程度の頭金を準備するには時間がかかり、資金が貯まるまで待っていると年齢が上がってしまいます。年齢が高くなるにつれて金融機関の借入条件が厳しくなり、返済期間が短くなって月々の負担が増える可能性があるため注意が必要です。

手元に資金を残して将来必要な資金にまわせる

頭金なしで住宅を購入できれば、ある程度貯蓄がある場合でも手元に資金を残したまま物件を取得できます。住宅購入後に生活が一変する場合もありますが、資金に余裕があれば予期せぬ出費にも柔軟に対応可能です。

生活に伴う出費には、病気や怪我による入院費用、子どもの教育資金、自然災害への備えなどが考えられます。また、将来の住宅の修繕費や急な家電の故障、車の買い替えなど、想定外の出費が生じても家計が不安定になるリスクを抑えられます。

住宅ローン控除の恩恵を十分に受けられる

住宅ローン控除とは、年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税や住民税が軽減される制度です。ローン残高が多いほど受けられる控除額も多くなる可能性があり、要件を満たしていれば大きなメリットが得られます。

頭金を支払わず借入金を増やすと、控除の対象となるローン残高も増え、結果として税金還付のメリットを十分に受けられます。ただし、控除率や対象残高には上限があり、無制限に増えるわけではないことを理解しておきましょう。

物件購入のタイミングを逃さずに済む

頭金なしで住宅ローンを組むと、ほしい物件が出たタイミングで購入できる可能性が高まります。頭金を貯めるための時間がかからないため、理想の物件と出会った際に迅速に行動できるでしょう。

立地や間取り、価格など良い条件が揃った物件は、競争率が高くすぐに買い手がつきます。人気の物件を購入するには、スピード感が非常に重要です。頭金なしであれば資金が貯まるのを待たずして、素早く購入を決断できます。

頭金なしで住宅ローンを組むデメリット

頭金なしで住宅ローンを組むと早くマイホームを持てますが、以下のような見落とせないリスクも存在します。

  • 借入総額や利息の負担が増える
  • 住宅ローン審査が厳しくなる
  • 金利が高くなる可能性がある
  • 担保割れする可能性がある

頭金なしで住宅ローンを組む際に直面しやすいデメリットを解説していきますので、チェックしておきましょう。

借入総額や利息の負担が増える

頭金なしで借り入れを行うと、頭金をいくらか出している場合と比べて借入総額が増え、月々の返済額も多くなります。例えば3,000万円の物件を購入する際、頭金300万円を入れれば借入額は2,700万円ですが、頭金なしでは3,000万円すべてが借入金です。300万円の借入金額の差は、年利0.7%で35年ローンを組んだ場合は月々の返済額で約8,000円の差(8万556円から7万2,500円)になります。

また、借入額が大きくなると支払う利息の総額も増えます。金利が同じでも、頭金を出している場合と比べて数十万~数百万円変わるケースがあるため注意が必要です。

住宅ローン審査が厳しくなる

頭金なしで住宅ローンを組む場合、借入額が多くなるため金融機関は貸したお金を回収できるかどうかをより慎重に判断します。結果として、住宅ローン審査が厳しくなる可能性があるでしょう。

具体的には、年収に対する返済負担率や勤務状況、貯蓄状況などのチェックが厳格になります。借入希望額に対して年収が高くない場合や、ほかのローンを抱えている場合は不利となりやすく、返済の安定性が低いと見なされて審査に通りにくくなるかもしれません。

金利が高くなる可能性がある

頭金なしで住宅ローンを利用する場合、適用される金利がわずかに高くなる可能性があります。理由は前述したように、金融機関から見て貸し倒れのリスクが高くなると判断されるためです。借入額が多くなるほど収入に対する返済額の割合(返済負担率)が増えて返済が滞るリスクが高いと見なされ、金利が高く設定される場合があります。

一方、金融機関によっては、頭金を一定額入れることで金利優遇を受けられる仕組みがあります。頭金なしを選択すると金利優遇を受けられず、頭金を用意した場合よりも高い金利での借り入れとなる可能性があるため注意が必要です。

担保割れする可能性がある

頭金なしで住宅を購入した場合、担保割れの状態になりやすいというデメリットもあります。担保割れとは、住宅の市場価値(売却価格)よりも、住宅ローン残高のほうが多い状態です。住宅は購入後に価格が下がる傾向にあり、頭金なしの場合はその影響を受けやすくなります。

購入から数年で売却が必要になった場合、売却代金だけではローンを完済できない可能性があります。その場合、不足分は自己資金で補う必要があり、想定外の出費につながるでしょう。

頭金なしで住宅ローンを組むときのポイント

頭金なしの住宅ローンにはメリットがある一方で、借入額が増えるため家計を圧迫する原因にもなります。後悔せずに住宅ローンを組んでマイホームを持つためには、無理のない返済計画や繰り上げ返済の活用、物件条件の見直しといった工夫が必要です。ここでは、頭金なしで住宅ローンを組む際に押さえておきたい重要なポイントをわかりやすく解説していきます。

無理のない返済計画を立てる

頭金なしで住宅ローンを組む場合、無理のない返済計画を立てることが重要です。金融機関が提示する借入可能額と、実際に家計が耐えられる返済額は同じではありません。「いくらまで借りられるか」と「実際に無理なく返せる金額」は異なることを理解する必要があります。

理想的な月々の返済額は、手取り収入に対する割合(返済負担率)を25%前後に抑えた金額です。返済負担率が高くなるほど貯蓄や予期せぬ出費への対応が難しくなり、家計を圧迫する可能性が高まります。借入時だけでなく、教育費や老後資金など将来のライフプランを見据えた視点が必要です。

繰り上げ返済を利用する

頭金なしのフルローンで住宅を購入すると、借入額が大きくなり総返済額も増えます。しかし、ボーナスや貯金が貯まったタイミングで繰り上げ返済を行えば、総返済額を減らせます。繰り上げ返済は元金が早く減るため、支払う利息を抑えられる点が大きなメリットといえるでしょう。

特に、住宅ローン控除の適用期間が終了するまで、あるいは控除限度額を下回るまで、繰り上げ返済するのがおすすめです。控除期間中は税制優遇を最大限活用し、その後まとまった資金で繰り上げ返済すれば、トータルでの支払額を効果的に抑えられます。

物件の条件を見直す

頭金なしで住宅ローンを組むときは、フルローンでシミュレーションすると返済額が想像以上に大きくなり、不安を感じる方も少なくありません。希望する物件の条件を見直し、物件そのものの価格を下げることで、返済額を軽減することが可能です。

最寄り駅からの距離や設備のグレード、広さや築年数など、希望条件の中でも優先順位を決めておきましょう。「譲れない条件」と「妥協できる条件」に分けて検討すれば、資金計画に無理のない価格帯の物件を見つけやすくなります。

頭金を準備する際の注意点

貯めたお金をすべて頭金に充ててしまうと、かえって資金ショートを招くリスクがあります。借入額を減らすことだけを考えるのではなく、ライフプラン全体から頭金の額を決めることが大切です。以下では、頭金を準備する際の注意点を解説します。

ライフプランや将来のライフステージの変化を考慮する

頭金を準備する際は、家族のライフプランと将来的なライフステージの変化を考慮しましょう。家を購入した後も、生活の中にはさまざまなライフイベントが発生します。子どもの進学費用や住宅のメンテナンス費用など、あらかじめ想定できる出費に加えて、病気や収入減少など、突発的な支出が起こる可能性も考慮する必要があります。

頭金に資金をまわし過ぎると生活資金が不足し、家計が赤字になるリスクがあるため、全体のバランスを見ながら余力を残した金額を設定しましょう。

預貯金にある程度余力を残しておく

頭金を多く用意すれば借入額を減らすことができ、毎月の住宅ローン返済は楽になります。ただし、頭金は多ければ多いほど良いわけではありません。住宅購入後に発生する予定外の出費に備えるため、預貯金には一定の余力を残しておくことが大事です。手取り月収の半年〜1年分程度の現金を確保しておくことが推奨されます。

また、借入額を減らしすぎると、住宅ローン控除の恩恵が小さくなってしまう点にも留意しましょう。返済負担の軽減と手元資金の確保、税制優遇について総合的に検討し、最適なバランスを見極めて準備することが重要です。

ローンシミュレーションを活用する

頭金の額を検討する際は、住宅ローンシミュレーションの活用がおすすめです。インターネットや金融機関のアプリ等で利用可能なシミュレーションを行えば、月々の返済額、金利、総返済額などが具体的にわかります。頭金をいくら入れると毎月の返済が無理なくできるのかを、数値で確認できる点が強みです。シミュレーションの精度を高めるために、収入や支出はできるだけ正確に入れるようにしましょう。

諸費用・追加費用が発生することも踏まえて準備する

頭金は物件価格の一部にすぎず、それ以外にも諸費用や追加費用が発生します。物件によって異なりますが、一般的に登記費用や仲介手数料、ローン手数料、オプション工事などの費用がかかります。

諸費用の目安としては、購入価格の3〜10%程度です。設備のグレードアップや外構工事など、契約後に追加費用が生じる場合もあります。これらはローンに含まれずに現金で支払うのが一般的のため、頭金とは別に準備しておかなければなりません。頭金に使いすぎると資金不足に陥る可能性があるため、諸費用・追加費用を考慮した予算計画が重要です。

親や親族に援助してもらえるか相談する

頭金の準備が間に合わない場合や、さらに多くの頭金を支払って借入額を減らしたい場合は、親や親族から資金援助を受けられないか相談してみるのも一つの方法です。援助によって自己資金の不足をカバーできれば、月々の返済負担を軽減できます。

ただし、親や親族から資金の贈与を受けると、金額によっては贈与税がかかる点に注意が必要です。住宅取得等資金の贈与の非課税制度を活用すれば、一定額(省エネ等住宅は1,000万円、それ以外の住宅は500万円)まで税金がかからずに援助を受けられます。援助を受ける際は事前に税理士などに相談し、非課税制度の適用条件を確認しておきましょう。

出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」

定年までにローンを完済できるか逆算して借入額とのバランスを見る

頭金を準備する際のシミュレーションで大事なポイントは、老後を見据えて計画を立てておくことです。特に、定年までに住宅ローンを完済できるかを逆算して考える視点が重要になります。若いうちに住宅ローンを組んで定年までに完済できれば、老後の資金を取り崩して返済に充てるという事態を避けられます。

一方、無理に返済期間を短くすると、月々の返済負担が大きくなり家計を圧迫するリスクがあるため、頭金の額と借入額、借入期間の3つのバランスをしっかり考慮することが大切です。

頭金なしの注意点を踏まえて最適な資金計画を立てよう

頭金なしで住宅ローンを組めば、自己資金が少なくても、理想のマイホームを短期間で手に入れられます。借入額が大きくなるため、住宅ローン控除のメリットを受けやすい点も魅力です。一方で、借入総額の増加による利息負担や、金融機関の審査基準が厳しくなるなど、注意すべき点も見逃せません。大切なのは、ライフプランに基づいた無理のない資金計画を立てることです。

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頭金なしの住宅ローンに関するよくある質問

Q. 頭金なしでも住宅ローンは組めますか?

はい、組めます。近年は頭金0円でも利用できる住宅ローン商品が増えており、条件を満たせば問題なく借り入れ可能です。

Q. 頭金なしで住宅ローンを組む人は多いですか?

はい、特に若い世代や共働き世帯では、頭金を用意せずに住宅ローンを利用するケースも珍しくありません。ただし、無理のない返済計画が前提です。

Q. 頭金なしが向いている人・向いていない人は?

向いているのは、安定収入があり将来の返済計画に余裕がある人です。一方、収入変動が大きい場合は慎重な判断が必要です。

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この記事を書いた人

Writer’s profile

岩永 真理

●監修者情報
IFPコンフォート代表
ファイナンシャル・プランナー(一般FP技能士・CFP®)

●その他保有資格
住宅ローンアドバイザー、スカラシップ・アドバイザー、ロングステイ・アドバイザーなど

●経歴
大手金融機関に入行後、証券・信託業務に10年以上従事。2010年よりファイナンシャル・プランナーとしての活動を開始。独立後は、相談(個人・法人社員向け)、マネーセミナー(行政・学校・法人社員向け)、執筆・監修を行う。お金まわり(金 融・税金・年金など)のわかりにくいことをわかりやすく伝えるように努めている。