コラム
後悔しない中庭付きコの字型住宅の間取りとは?
メリット・デメリットを紹介
家づくり
2025.11.19
おしゃれで個性的な住まいづくりができることから、中庭のあるコの字型住宅に興味を持つ方もいるでしょう。
本記事では、中庭付きコの字型住宅のメリット・デメリットや、後悔しないためのポイントについて解説します。家づくりに役立つ施工事例も紹介しますので、中庭がある住まいを建てたいとお考えの方は本記事を参考にしてください。
中庭付きコの字型住宅とは?
中庭付きコの字型住宅は、カタカナの「コ」の形をした建物で中庭を囲む住まいのことです。中庭が壁で完全に囲まれていないため、屋内外のどちらからでもアクセスできるのが特徴です。
コの字型住宅の風水的な見解
家づくりの際に、風水や家相を気にする方もいるでしょう。風水では、建物の形状は四角形が望ましいとされており、一部が欠けている「欠け」は運気を損なうとの見方があります。コの字型住宅は、中庭部分が建物の欠けとみなされる可能性があります。
しかしながら、風水には、欠けを補うための対策が複数存在しているため、心配はありません。たとえば、欠けている部分(中庭)にシンボルツリーを植える、照明で常に明るい空間づくりをするなどの方法が有効です。
風水は心地よい住環境を整えるアイデアの一つとして、適度に活用するのが望ましいでしょう。
中庭付きコの字型住宅のメリット
中庭付きコの字型住宅には、日々の暮らしを豊かにするメリットが複数あります。本章では、代表的な4つのメリットについて詳しく解説します。
おしゃれで開放的な雰囲気を演出できる
日本は四角形の住宅が多い傾向にあるため、コの字型住宅はおしゃれで個性的な印象を与えやすいです。建物が特徴的な形状であることから、屋根や外壁の設計もバリエーションが広がりやすく、外観デザインの差別化を図れます。
また、コの字型住宅は中庭の一面が外部につながっているため、適度な開放感を演出できる点もメリットです。中庭に面する壁に大きな開口部を設けることで、実際の床面積以上の広がりを感じられるでしょう。さらに開放的な雰囲気を楽しみたい場合は、外部の視線が届かない中庭側の開口部をカーテンレスにする選択肢もあります。
明るく風通しの良い空間づくりができる
建物の北側や中心部は採光・通風を確保しにくく、立地条件によっては、周囲の建物の影響で、暗くて風通しの悪い住まいになる可能性があるでしょう。
コの字型住宅の場合、中庭側に開口部を設けることで、建物全体に満遍なく自然光を届けられます。複数の開口部を設ければ、住まい全体の換気性が向上し、雨や湿気が多い時期も快適な暮らしが可能です。
プライバシーの確保・防犯性の向上が期待できる
コの字型住宅は中庭を建物で囲む設計のため、外からの視線を防ぎやすく、防犯性の向上も期待できます。不審者の侵入はもちろんのこと、中庭で遊ぶ子どもやペットが道路へ飛び出すリスクも軽減できます。
建物の配置によっては外部からの視線が気になることもあるため、必要に応じて植栽や塀、フェンスの設置を検討しましょう。
さまざまな用途に活用できる
中庭の三面が建物で囲まれたコの字型住宅は、プライベート空間として以下のようなことに活用できます。
- 子どもやペットを遊ばせる
- おうちキャンプを楽しむ
- コーヒーやお酒を飲みながら星空を眺める
- 洗濯物を外干しする
リビングにいながら外の風景や家族の様子を眺めるなど、中庭だけでなく室内での楽しみ方も広がってくるでしょう。
中庭付きコの字型住宅のデメリット
中庭付きコの字住宅には多くのメリットがありますが、デメリットもあるため注意が必要です。メリット・デメリットの両方を理解したうえで、中庭の必要性や住宅の形状を改めて検討しましょう。
建築コスト・土地代が高額になりやすい
コの字型住宅は建物に凹凸があるため、一般的な住宅よりも多くの建材やサッシを使用します。施工の難易度も上がることから、建築コストが高額になりやすいため注意が必要です。
また、中庭を囲むようにコの字形状にするため、一般的な四角形の住宅よりも広い敷地を必要とします。限られた敷地でコの字型住宅を建てる場合、中庭や駐車スペースが狭くなる場合もあるでしょう。
間取りによっては動線が長くなる
コの字型住宅は中庭を囲むように建物を配置するため、住まいの端から端までの移動距離が長くなります。
中庭を横切ってルートを短縮する選択肢もありますが、悪天候の日などは屋外移動が難しいでしょう。状況によっては室内移動のために迂回せざるを得ず、朝の支度や家事に支障をきたす可能性があります。
暑さ・寒さを感じやすい
中庭に面する開口部は採光・通風の確保に役立つ一方で、断熱性の問題を抱えています。開口部のガラスやサッシを通じて外気の影響を受けやすくなるため、暑さ・寒さを感じやすくなります。
特に、深い軒や屋根のない中庭の場合、夏場に直射日光が入りやすいため注意が必要です。また、冬は夏に比べて太陽高度が低くなるため、建物が日差しを遮って採光を確保しにくくなる可能性があります。
排水対策・メンテナンスに手間がかかる
コの字型住宅は中庭の三面を壁で囲んでいるため、水はけの悪さが懸念されます。雨が多い時期や湿度が高い状況下では、中庭内に水が溜まりカビやコケの温床となるリスクが高まります。
設計時の排水対策はもちろんのこと、住み始めてからのメンテナンスも欠かせません。手入れを怠ると、枯葉やゴミが溜まったり虫が湧いたりするため、注意が必要です。
中庭付きコの字型住宅で後悔しないためのポイント
中庭付きコの字住宅で後悔しないためには、設計時の注意点を理解したうえで家づくりを進めることが重要です。事前に押さえておきたい4つの注意点について、詳しく見ていきましょう。
建物の配置を工夫する
中庭付きコの字住宅は、中庭をどちらの方角に開くかで住まいの快適性が左右されます。一般的には南側に開いて建物を配置するタイプが人気で、季節を問わず自然光をふんだんに取り込めるメリットがあります。
朝の光を大切にしたい場合は東向き、昼下がりに中庭でゆったりと過ごしたい場合は西向きに中庭を開くのも一つの選択肢です。立地や敷地の条件に合う、最適な配置を検討しましょう。
実生活をイメージして間取りを設計する
コの字型住宅は動線が長くなる傾向がありますが、日常生活をイメージした間取りをつくれば短縮化を図れます。
たとえば、起床から朝の支度、家を出るまでの動きを具体的に想像するとよいでしょう。移動距離を短くするアイデアとして、水回りをまとめる、寝室にクローゼットを設けるのが効果的です。家事動線を効率化したい場合は、脱衣所やランドリー室、物干し場所、ウォークインクローゼットをつなげるといった間取りも有効です。
断熱性を高める工夫をする
大開口を設けるコの字型住宅では、断熱性を高める工夫が欠かせません。
3枚のガラスと2つの空気層でできたトリプルガラスや、熱を伝えにくい樹脂製フレームなどを採用して、外気の影響を受けにくい家にしましょう。
メンテナンス性を考慮した排水対策を講じる
建物に囲まれた中庭は湿度が高くなりやすいため、耐久性が高い建材を使用することが重要です。たとえば、ウッドデッキは、木製よりも樹脂製を採用したほうが腐食しにくいとされています。
また、中庭に雨水を溜めないための、排水経路の確保も欠かせません。特に、コンクリート床の場合は、床面が雨水を吸収できないため注意が必要です。中庭に勾配をつけて雨水を外部へ流す、排水管を設置する、水はけの良い砂利を敷くなどの工夫を凝らしましょう。
居住後は排水溝の定期的な手入れも必要です。ウッドデッキを設ける場合はデッキ下の清掃方法も事前に検討しておきましょう。
【コの字型】中庭付き住宅の施工事例2選
ここからは、コの字型中庭付き住宅の施工事例を紹介します。間取りやデザインのヒントを見つけて、今後の家づくりにお役立てください。
田園を切り取るコの字の平屋
のどかな田園風景を楽しめる、中庭があるコの字型の平屋です。中庭は段差を設けて、家族がゆったりと過ごせる空間に仕上がっています。
キッチンのパントリーから脱衣室、室内干し空間、ウォークインクローゼットまでをつなげた間取りで、家事動線の効率化を図っている点がこだわりです。
階段越しの中庭が美しい家
タイルを敷いた中庭がおしゃれな、2階建てのコの字型住宅です。
人通りの多い道路に面する立地のため、中庭は奥に開いてプライバシーを確保しています。リビングのスケルトン階段は、景色の邪魔にならないように細い手すりを使用するなど細部まで工夫を凝らし、景観と採光の両方を確保した住まいです。
こだわりの設計で理想の中庭付き住宅を実現しよう
中庭のあるコの字型の住まいは、デザイン性と機能性を両立できる魅力的な住まいです。建物の配置や動線、断熱性、メンテナンス性を工夫して、理想の住まいづくりを実現しましょう。
コラボハウスでは、お客様の理想をカタチにするために、設計士が最初から最後まで家づくりをサポートします。土地探しや資金計画の相談もできる無料相談会を随時実施していますので、家づくりをお考えの方はぜひご参加ください。
中庭のコの字に関するよくある質問
コの字の家にすると、どんなメリットがありますか?
コの字型は中庭との相性が最も良く、以下のメリットが得られます。
・三方向から自然光を取り込めるため、LDKがとても明るい
・周囲の視線を完全に遮り、プライベート性が高い
・中庭を中心に回遊動線がつくれる
・外と内がつながる“開放感”が生まれる
・夜のライトアップで雰囲気が格段に上がる
都市部の密集地でも採光を確保できる点が最大の魅力です。
コの字型の中庭で採光効果は本当に高いのですか?
はい。一般的に、採光効果は以下の理由で高くなります。
・3方向に窓がつくため、光が入り込む角度が増える
・中庭に光が落ちるため、隣家が近くてもLDKが明るい
・光が反射して室内の明るさが安定する
特に「北向きリビングでも明るい」という実例が多く、採光重視の方からの支持が非常に高いです。
コの字の中庭で気をつけるべきデメリットはありますか?
以下のポイントに注意が必要です。
・中庭に面する壁が多いため、外壁面積が増えてコストが上がる
・排水計画を誤ると雨が溜まりやすい
・奥行きが狭いと“ただの空きスペース”になる
・採風窓の位置によって風の流れが変わる
ただし、設計段階で調整可能なため、対策すればほぼ問題ありません。
コの字の中庭はどんな間取りと相性が良いですか?
特に相性が良いのは以下の間取りです。
・LDK+和室(または洋室)がL字に並ぶ配置
・パントリー・洗面など生活動線を中庭周りに回す回遊動線
・キッチン前に中庭を配置し、視線の抜けをつくる
・スケルトン階段+吹き抜け×中庭
視線・動線・採光の“3つの抜け”をつくるとコの字の魅力が最大化されます。
コの字の中庭にウッドデッキは必要ですか?
必須ではありませんが、実例では多く採用されています。
ウッドデッキをつけるメリット:
・LDKとの一体感が強くなる
・“段差なし”の外空間が使いやすい
・子ども・ペットの遊び場に最適
・夜のライトアップで高級感が出る
“床の高さを合わせる”ことで中庭の完成度が一段上がります。
コの字型は狭小地でも採用できますか?
可能です。実例では20坪前後の敷地でもコの字が採用されています。
狭小地での工夫の例:
・2〜4㎡のライトコート(小さな中庭)にする
・奥行きを1.2〜1.5m確保
・採光重視で高さ方向に抜けをつくる
・スリット窓+吹き抜けで明るくする
狭小地こそ“コの字の採光力”が大きく活きます。
コの字の家は防犯面は大丈夫ですか?
むしろ防犯性は高いです。
理由:
・外から見えないため侵入されにくい
・中庭側は施錠管理しやすい
・夜間照明をつけやすい
実例では“安全性が高まった”という声が多いです。
コの字の中庭で後悔しないためのポイントは?
・奥行1.2m以上確保する
・排水計画(勾配+グレーチング)を忘れない
・室内から見える植栽を1本入れる
・中庭方向に大開口サッシを採用する
・日よけ(軒・シェード)を検討する
広さ×高さ×光の入り方の3つを同時に整えることが、コの字中庭の成功ポイントです。
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