コラム
平屋にスキップフロアをつくるメリットとは?
後悔しないためのコツや施工事例を紹介
        家づくり
2025.10.29
 
        スキップフロアのある住まいに憧れて、新築の平屋に取り入れたいとお考えの方もいるでしょう。スキップフロアには暮らしを豊かにする魅力が詰まっていますが、デメリットや設計のポイントを理解しておかないと後悔する可能性があります。
本記事では、平屋にスキップフロアをつくるメリット・デメリットや、後悔しないためのコツを解説します。施工事例も紹介していますので、今後の家づくりにお役立てください。
スキップフロアとは?
スキップフロアとは、空間を段差でゆるやかに区切り、新たな階層を設ける間取りのことです。
まずは、スキップフロアについて、ロフトとの違いや代表的な活用例をみていきましょう。
スキップフロアとロフトの違い
スキップフロアとロフトは、構造自体が異なります。スキップフロアは段差を設けた小上がりのスペースである一方、ロフトは天井部分を活用した空間です。
また、スキップフロアとロフト(小屋裏物置等)には、建築基準法による定めの有無にも違いがあります。ロフトは、面積や高さ、開口部の大きさなどに規定があり、すべての条件を満たすと延床面積の計算から除外されます。
たとえば、床面積はロフトを設けるフロアの50%未満、天井高は1.4m以下で設計しなければいけません。そのほか、さまざまな規定があることから、ロフトは収納スペースとして利用されるケースが多い点も理解しておきましょう。
スキップフロアの活用例
スキップフロアの主な活用例は、以下のとおりです。
- キッズスペース
- 書斎・テレワークスペース
- 畳スペース
- 収納スペース
スキップフロアには空間を仕切る壁やドアがないため、大人が家事をしながら子どもの遊びや勉強を見守れます。デスクや本棚を設置し、書斎・テレワークスペースとして利用するのも選択肢の一つです。
スキップフロアに畳を敷いて、セカンドリビングや来客用の寝室にするという方法もあります。1階部分のみで十分な居住スペースを確保できる場合は、スキップフロアや段差下を収納スペースとして活用するのもおすすめです。
スキップフロアについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
スキップフロアのあるリビング空間間取りのつくり方や活用アイデアを紹介
階段の途中につくるスキップフロア活用法!活用アイデアや注意点を紹介
スキップフロアのある家の間取りづくり主な間取りタイプや注意点とは
スキップフロアとは?メリット・デメリットや活用方法を徹底解説
ピットリビングとは?間取りに採用するメリット・デメリットや注意点
平屋にスキップフロアをつくるメリット
平屋にスキップフロアをつくると、暮らしの利便性や快適性が向上します。平屋にスキップフロアをつくるメリットを3つ紹介しますので、実際の暮らしをイメージしながらご覧ください。
縦の空間を有効活用できる
平屋にスキップフロアをつくることで、縦の空間を有効活用できます。平屋はワンフロア構造のため、十分な居住スペースを確保するには広い敷地が必要ですが、スキップフロアを設けると効率的に床面積を増やせます。
また、スキップフロアの設置で生じたデッドスペースを、収納に活用できる点もメリットです。アップフロアの下や段差下を利用するほか、段差部分に取っ手をつけて引き出しにするというアイデアもあります。
空間をゆるやかに区切れる
スキップフロアは空間を段差でゆるやかに区切るため、視界が抜け、空間全体に開放感が生まれます。勾配天井やダウンフロアと組み合わせることで、視線が縦に伸びやすくなり、広々とした印象を与えられる点もメリットです。
同じ部屋で過ごす家族の気配を感じつつ、半個室の空間で仕事や趣味に集中できるのは、スキップフロアならではの魅力といえるでしょう。
採光や通風を確保しやすくなる
平屋は採光・通風の確保が難しく、建物全体に自然光や外気を届けるには設計時の工夫が欠かせません。明るく居心地の良い平屋を実現するには、スキップフロアを活用するのがおすすめです。
スキップフロアに開口部を設けることで、高位置から効率的に光を取り込めます。開閉可能な窓を設置すれば、換気もでき、より室内の快適性が高まるでしょう。
平屋にスキップフロアをつくるデメリット
スキップフロアには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を理解したうえで、改めてスキップフロアの必要性を検討しましょう。
建築コストがかさみやすい
スキップフロアをつくると、建築コストがかさみやすくなるため注意が必要です。床・階段に使用する建材費や工事に必要な人件費が発生し、当初の予算を超える可能性があります。
また、スキップフロアは床面積に算入されるため、固定資産税が上乗せされる点もデメリットの一つです。スキップフロアを設置した場合に生じるコストを、長期的な視点で把握しておく必要があります。
空調効率が低下する
スキップフロアは広々とした空間につくるケースが多く、空調効率の低下が懸念されます。天井が高い住まいの場合、暖気が上部へ滞留し、1階部分が冷えやすくなるためです。
空間全体が快適な室温になるまでに時間がかかるうえに、光熱費もかさみやすいため注意が必要です。
完全なバリアフリー化が難しい
平屋は段差のない家づくりができるというメリットがありますが、スキップフロアを取り入れた場合は、完全なバリアフリー化が難しくなります。
新築からしばらくの間は不便なく生活できても、年齢を重ねるにつれて上下の移動がしにくくなり、スキップフロアを活用できなくなる可能性があります。物置や来客用の寝室など、将来的な使い道をあらかじめ検討しておきましょう。
平屋のスキップフロアで後悔しないためのコツ
平屋にスキップフロアをつくって後悔しないためには、設計の段階で工夫を凝らすことが重要です。本章では、事前に知っておくべき2つのポイントを解説します。
用途を明確にして将来を見据えた設計をする
スキップフロアを「おしゃれに見えるから」「空間を有効活用できるから」などの漠然とした理由のみでつくるのはおすすめしません。用途を明確にし、将来的な家族構成・ライフスタイルの変化を見据えた設計をすることが重要です。
たとえば、子どもが自室を利用するまではキッズスペースとして利用し、その後はセカンドリビングにするといった使い方も選択肢の一つです。
高気密・高断熱の設計を取り入れる
平屋にスキップフロアを設ける際は、高気密・高断熱の設計を取り入れましょう。設計にこだわることで、空調効率の向上を図れます。
空気を撹拌して室温を均一に調整できるシーリングファンの設置や、冷気が溜まりやすい足元から暖める床暖房の導入もおすすめです。
スキップフロアのある平屋の施工事例2選
平屋にスキップフロアをつくる必要性や間取りに悩んでいる方は、施工事例を参考にしてイメージを膨らませるのがおすすめです。
スキップフロアのある平屋の施工事例を2つ紹介しますので、今後の家づくりにお役立てください。
スキップフロア下におこもり空間がある平屋
勾配天井やピットリビングなど、高低の工夫で空間に開放感を出している平屋の施工事例です。4.5帖のスキップフロアは吹抜けに面していますが、来客用スペースとしても利用できるよう、150cmの壁で見えないような設計にしています。
スキップフロアの下には天井高1.4mのゲームスペースがあり、デッドスペースを有効活用している点も魅力です。
くじらが住む石壁の平屋
続いて紹介するのは、スキップフロアの壁に貼られたくじらのステッカーが印象的な平屋の施工事例です。スキップフロアは3帖の畳空間でゆったりと過ごせるほか、階段の手すりはアイアンで抜け感を出し、開放的な空間を実現しています。
スキップフロア下の空間は子どもの遊び場兼おもちゃ用収納になっており、将来的にリビング収納としても活用できる設計です。
スキップフロアのある平屋で理想の家づくりを実現しよう
スキップフロアはキッズスペースや書斎など、多彩な用途に利用できるほか、縦の空間を有効活用できる、採光・通風を確保しやすくなるといったメリットもあります。
一方で、スキップフロアは建築コストがかさみやすく、空調効率の低下やバリアフリー化の難しさが懸念されます。そのため、スキップフロアを取り入れる際は設計時の工夫が不可欠です。
コラボハウスでは、専門的な知識と豊富な経験をもつ設計士が理想の家づくりをサポートしています。無料相談を実施していますので、スキップフロアのある新築平屋を検討中の方はぜひご相談ください。
スキップフロアのある平屋に関するよくある質問
スキップフロアのある平屋で人気の間取りは?
「リビングの一角に設けた中二階風スペース」「玄関横の段差収納+書斎」「LDKと連続したキッズスペース」などが人気です。空間をゆるやかに分けつつ、一体感を保てる配置が好まれます。
スキップフロアをどこに設けるのが効果的?
リビングの隣や中央部分がおすすめです。家族の気配を感じやすく、段差がデザインのアクセントにもなります。
スキップフロアの下を収納にすることはできますか?
可能です。段差下を“床下収納”や“蔵収納”として利用することで、デッドスペースを有効活用できます。
スキップフロアの高さはどのくらいが適切?
40〜80cm程度が目安です。あまり高くしすぎると階段が多くなり、空間が分断されてしまいます。
スキップフロアを設けると耐震性に影響しますか?
設計時に構造計算を行えば問題ありません。段差部分に構造壁をうまく配置し、荷重バランスを調整することで安全に設計できます。
スキップフロアを設けると冷暖房効率は悪くなりますか?
吹き抜けと同様、上下で温度差が出やすくなります。シーリングファンやエアサーキュレーターを設置すると快適に保てます。
スキップフロアのある平屋はどんな人に向いていますか?
空間デザインを楽しみたい方や、限られた土地でも広く感じる家を建てたい方におすすめです。在宅ワークや趣味スペースを設けたい世帯にも人気です。
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