コラム
平屋の吹き抜けとは?
メリット・デメリットや外観がおしゃれな施工実例を紹介
        家づくり
2025.10.27
 
        「吹き抜け」と聞くと、2階建て以上の建物に取り入れられるものをイメージするかもしれません。しかし、天井の形状を活かすことで、平屋にも吹き抜けを設けられます。
高い天井は開放感のある空間を演出できるほか、おしゃれな外観に仕上がるなど、メリットが豊富です。この記事では、平屋の吹き抜けについて、メリット・デメリットや施工事例を紹介します。
平屋の吹き抜けとは?
平屋の吹き抜けは、勾配天井を活かした開放感のある空間を指します。
一般的な吹き抜けは、1階と2階をつなぐ床を取り除き、上下に空間を生み出す設計です。しかし、平屋には2階・3階がないため、天井や屋根部分を工夫して吹き抜けを再現します。
平屋の吹き抜けで用いられることが多い「勾配天井」は、屋根の勾配の形をそのまま活かした天井です。屋根のデッドスペースを活かすことで、高く、広々とした天井空間を演出できます。
吹き抜けについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
吹き抜けのある間取りとは?おすすめのアイデアとデメリット解消法
吹き抜けをつくると後悔する?よくあるケースと有効な対策を紹介
吹き抜けリビングの魅力とは?後悔しない間取りづくりのポイントを解説
吹き抜け階段とは?おしゃれな間取り決めのポイントを事例付きで解説
平屋に吹き抜けを設ける4つのメリット
ここでは、平屋に吹き抜けを設ける4つのメリットを紹介します。
開放感のある空間を実現できる
平屋に吹き抜けを設けるメリットは、開放感のある空間を実現できる点です。吹き抜けを設けると天井が高くなるため、圧迫感のない広々とした空間を演出できます。
ワンフロア構造の平屋は面積が限られますが、天井を高くすることで縦の空間に余裕がうまれ、実際の間取りよりも広く感じられます。日常的に家族が広々とした空間を満喫できるほか、来客にも開放感を楽しんでもらえるでしょう。
採光しやすく、明るい雰囲気になる
本来、平屋は採光が難しいというデメリットがあります。しかし、吹き抜けに加えて高い位置に窓を設けることで、効率的に多くの光を取り込み、明るい室内を演出できます。
吹き抜け部分の窓は周囲の視線を気にする心配も少なく、プライバシー確保にも有効です。また、高い天井に開閉可能な窓を設ければ、空気が循環しやすくなり、通気性も高まります。
天井の高さを活かしてロフト・スキップフロアをつくれる
吹き抜けを設けると天井が高くなるため、ロフトやスキップフロアをつくりやすくなります。ロフトは天井付近に設置されたスペース、スキップフロアは床よりも少し高い位置につくられた小上がりのスペースです。
吹き抜けやロフト・スキップフロアを設けることで、趣味や家族とのコミュニケーションの場を実現できます。また、設計の条件を満たした場合はいずれも延床面積に含まれず、固定資産税を安く抑えられる可能性があります。
勾配天井でおしゃれな外観に仕上がる
勾配天井を取り入れた平屋の吹き抜けは、おしゃれな外観に仕上がる点も魅力です。片流れ屋根との相性もよく、シンプルでスタイリッシュな外観を実現できます。
デザインの自由度が高いため、ホテルライクや和モダンなどの外観に仕上げることも可能です。
平屋に吹き抜けを設けるデメリットと注意点
平屋の吹き抜けはメリットが多い一方、注意すべきデメリットもあります。建築後に後悔しないよう、デメリットと注意点を押さえておきましょう。
夏は暑く、冬は寒くなりやすい
平屋の吹き抜け(勾配天井)には「夏は暑く、冬は寒くなりやすい」というデメリットがあります。
天井部分に窓を設ける場合、日差しが入ることで室内の温度が上昇しやすくなります。また、暖かい空気は上部へ昇るため、冬は家族が過ごす空間が寒くなりやすいです。
室内を快適な温度に保とうとすると、光熱費が高くなりやすいことから、デメリットと感じる方も少なくありません。
音やにおいが伝わりやすい
高い天井は音やにおいが伝わりやすいため、平屋に吹き抜けを設ける際は、設計時の工夫が欠かせません。具体的には、以下のような工夫が必要です。
- 吹き抜けのあるリビングと離れた位置に寝室を配置する
- キッチンとランドリールームの間に廊下を設ける
音やにおいの対策は、生活リズムが違う家族がいる場合も積極的に取り入れましょう。
高所のメンテナンスに手間がかかる
平屋に限らず、吹き抜けは高所のメンテナンスに手間がかかる点がデメリットです。照明や天井付近の定期的なメンテナンス・掃除は大変なだけでなく、高所の作業は危険が伴います。
安全かつきれいに掃除をするには業者の利用が便利ですが、その分費用がかかります。そのため、吹き抜けを設ける際は、メンテナンスを考慮した設計も欠かせません。
後悔しない!平屋に吹き抜けを設ける際のポイント
平屋の吹き抜けには一部デメリットがありますが、設計時の工夫次第で「快適な吹き抜け空間」を実現できます。
ここでは、平屋に吹き抜けを設ける際のポイントを紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。
素材にこだわる
天井部分や窓の素材にこだわることで、平屋の吹き抜けがもつ「夏は暑く、冬は寒い」というデメリットを軽減できます。
断熱性や気密性の高い素材・遮光性に優れた窓を取り入れるのがおすすめです。素材にこだわれば、より快適な室内空間を実現しやすくなります。
シーリングファンや全館空調を導入する
シーリングファンや全館空調を導入すれば、天井が高いことで生じる課題を解消できます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
- シーリングファン:天井に設置する送風機で、室内の空気を循環させる
- 全館空調:家全体の空調(冷暖房・換気)を一カ所で管理するシステム
いずれも室内を快適な温度・湿度に保つのに役立ちます。
生活音やにおいに考慮する
平屋に吹き抜けを設ける際は、生活音やにおいに考慮した間取りを検討することも重要です。具体的には、以下のような間取りのアイデアがあります。
- 各部屋を廊下で仕切る
- キッチンの換気扇の位置に気をつける
- 吹き抜け部分にキッチンを含めない
上記を考慮すれば、生活音やにおいが気になりにくい空間を実現できます。
メンテナンスを視野に入れた設備を導入する
平屋の吹き抜けは高所の掃除が大変なため、メンテナンスを視野に入れた設計・設備を取り入れるのがおすすめです。
たとえば、昇降可能な照明を導入したり、掃除用の廊下を設けたりする方法があります。
また、より手軽な方法として「高所に届く掃除用具を常備する」「メンテナンスは割り切って業者に依頼する」などもあります。家庭によってベストな設備を検討することが重要です。
吹き抜けを取り入れた平屋の施工事例を紹介
ここでは、吹き抜けを取り入れた平屋の施工事例を紹介します。勾配天井による開放的な空間を、イメージしながらご覧ください。
勾配天井の広々リビングがある平屋
リビングに勾配天井を設けた北欧風の平屋です。シンプルなデザインの天井で、すっきりと広く感じられる快適な空間を実現しました。
ガルバリウム外壁やカバザクラの床材、スムーズな家事動線など、外観・間取りともにこだわりを詰め込んだ魅力的な設計です。大きな窓が並ぶダイニングは、自然光と白を基調にした明るく柔らかな空間を演出しています。
円窓から紅葉を眺める和モダンな平屋
こちらは、黒×白の壁と木製格子が和の雰囲気を醸し出す平屋の施工事例です。リビングに切妻屋根の形状を活かした天井を設けることで、面積以上に広く感じる空間を実現しました。
切妻屋根とは、屋根の頂部から左右2方向に屋根が流れる「三角屋根」の一種です。ひと続きのLDKには大きな掃き出し窓が2つ並び、屋根の勾配を利用した天井高とあいまって、開放感あふれる空間を演出しています。
LDK横にある和室は、円窓から紅葉を眺められる点が魅力です。
本棚階段のある陽だまり平屋
勾配天井を利用した吹き抜けが、広々とした空間を演出する平屋の施工事例です。高い天井を活かしてロフトを設置し、階段は本棚としても活用できる仕様に仕上げました。
南面に大きく開いた窓と上部のはめ込み窓は、日当たりが良く、温かな空間を演出しています。太陽の入射角を計算して建築したため、冬は陽光を室内に取り入れられますが、夏は入りにくく、室内温度の上昇を防げます。
吹き抜けのある平屋で開放的な空間を実現しよう!
1階建ての平屋でも、天井を工夫することで吹き抜けの導入が可能です。高い天井を活かした開放感のある空間で、家族がゆったりと過ごせる住まいが完成します。
ただし、平屋の吹き抜けには一部デメリットがあるため、設計時の工夫が欠かせません。設計段階から間取りに注意すれば、後悔しない快適な空間を実現できるでしょう。
平屋の吹き抜けをご検討中の方は、実績豊富なコラボハウスにご相談ください。営業担当者や設計士がお客様の希望をしっかりとヒアリングし、最適な設計・間取りをご提案いたします。
完成見学会などのイベントや無料相談も行っていますので、ぜひ気軽にお問合せください。
吹き抜けのある平屋に関するよくある質問
吹き抜けのある平屋は暑い・寒いって本当?
断熱・気密性能が低いと温度差を感じやすくなります。高断熱窓やサーキュレーターを設置することで、温度ムラを軽減できます。
吹き抜けを設けるおすすめの場所は?
リビングが最も人気です。南側に設けると日差しを奥まで取り込み、明るく心地よい空間になります。玄関ホールやダイニングに採用する例も増えています。
平屋に吹き抜けをつくる際の天井高さはどれくらい?
3.6〜4.0m程度が目安です。勾配天井と組み合わせることで、自然光をより多く取り込めます。
吹き抜けと勾配天井の違いは?
吹き抜けは“上階をなくして高さを出す構造”、勾配天井は“屋根の傾斜を活かしたデザイン”です。平屋ではこの2つを組み合わせて採用するケースが増えています。
吹き抜けにシーリングファンは必要ですか?
はい、あると快適性が大きく向上します。上部にたまる暖気や冷気を循環させ、温度差を緩和できます。
吹き抜けに照明をつけるときのポイントは?
ダウンライトやペンダントライトを組み合わせ、明暗差を楽しむのがおすすめ。調光機能をつけると昼夜で雰囲気を変えられます。
吹き抜けに窓をつけると掃除が大変ですか?
高所になるためお手入れしづらい面はありますが、電動開閉や自動ブラインドを採用するとメンテナンスがラクになります。
吹き抜けを設けると耐震性に影響しますか?
設計上の考慮は必要ですが、構造計算を行えば問題ありません。耐震等級3を確保した平屋でも吹き抜けは十分実現できます。
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