コラム
平屋と二階建てはどっちがいい?
比較ポイントやメリット・デメリットを紹介
家づくり
2025.10.23
注文住宅を建てる際に「平屋と二階建てのどちらがよいか」と悩む方は少なくありません。それぞれ異なる魅力があるため、家庭に合った住宅を選ぶことが大切です。
この記事では、平屋と二階建てはどちらがよいのかについて解説します。比較ポイントやメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
平屋と二階建て、どっちがいい?
平屋と二階建ては、それぞれ違った魅力があります。そのため、両者の特徴を理解したうえで、自身の家庭に合った住宅を選ぶことが大切です。
たとえば、高齢者や子どもが暮らす場合、平屋だと段差で転ぶリスクもなく、家族が安心して暮らせる住居になるでしょう。一方、個人のプライバシー確保を優先したい場合は、二階建てにして各自の居室を設けると、落ち着いて過ごせる住空間になるかもしれません。
一点のみに注目するのではなく、複数のポイントを比較しながら各家庭に適した住宅を選ぶことで、納得できる家づくりを実現できます。
二階建てについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
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平屋と二階建ての比較ポイント6つ
平屋と二階建ての比較ポイントをまとめました。
| 比較ポイント | 平屋 | 二階建て |
| 建築費用 | やや高額になりがち | 安く抑えられる可能性あり |
| 維持費
(固定資産税・ メンテナンス費用) |
・固定資産税は高くなる傾向
・メンテナンス費用は抑えられる場合がある |
・固定資産税は平屋よりも安い傾向がある
・メンテナンス費用は高額になりがち |
| 土地の広さ | 広い土地が必要 | 狭い土地でも建築可能 |
| 利便性 | 上下移動なく暮らしやすい | 家族構成の変化に柔軟に対応できる |
| プライバシーと安全性 | 周囲の視線が気になりやすい | 防犯性が高い |
| 耐震性 | 耐震性に優れている | 地震に弱いが、水害に強い |
各項目ごとに詳しく解説します。
平屋と二階建ての比較① | 建築費用
平屋のほうが、坪数や基礎・屋根の工事を行う面積が広くなりやすいため、二階建てよりも建築費用が高くなる傾向です。
住宅の建築コストは、基礎工事や屋根工事が多くを占めています。そのため、同じ床面積でも平屋のほうが建築費用が高くなる場合が多いとされています。
ただし「平屋のほうが建築費用が高くなる」というのは、あくまでも目安です。平屋でも広さや間取りを工夫すれば、建築費用を抑えられるでしょう。
平屋と二階建ての比較② | 維持費(固定資産税・メンテナンス費用)
住宅を建築・購入すると、固定資産税やメンテナンス費用などの維持費も必要です。そして固定資産税で比較すると、平屋のほうが高くなる傾向があります。
固定資産税の評価基準は、住宅の資産価値です。平屋は土地や基礎・屋根の面積が広く、使用する資材も多くなりやすいため、結果的に資産価値が高くなりがちです。
一方、メンテナンス費用は、外壁工事の際に足場が必要な二階建てのほうが高額になりやすいでしょう。
平屋と二階建ての比較③ | 土地の広さ
土地の選び方や希望の間取りによって差があるものの、一般的には必要となる土地も、平屋のほうが広くなる傾向があります。
平屋で家族が過ごすスペースを確保しようとすると、一定の広さが必要です。同じ延床面積の場合、平屋は二階建ての最大2倍の土地が必要になるため、土地代も高額になります。
平屋と二階建ての比較④ | 利便性
平屋・二階建ての利便性について、特徴を以下にまとめました。
| 建物の種類 | 特徴 |
| 平屋 | ・スムーズな動線を確保しやすい
・間取りの自由度が高い ・子育て・高齢の家族を見守りやすい |
| 二階建て | ・家族のプライバシーを確保した空間を実現しやすい
・ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる |
自分の希望や家族構成などを基準に、家庭に合った住宅を建築することが大切です。
平屋と二階建ての比較⑤ | プライバシー・安全性
両者を比較すると、プライバシーを確保しやすいのは二階建てです。平屋は採光を目的として窓を多く設ける傾向があり、外から目に触れやすくなります。
一方、二階建ての二階部分は空き巣の侵入リスクが低く、防犯性が高い住宅といえます。
ただし、すべての二階建てが防犯性に優れているわけではありません。平屋でも設計時に工夫を施すことで、プライバシーや安全性を確保できます。
平屋と二階建ての比較⑥ | 耐震性
二階建てよりも、平屋のほうが耐震性に優れているとされています。平屋は重心が低く、地震による揺れの影響を受けにくい住宅です。また、二階部分がないため上からの重さがかからず、倒壊リスクの軽減も期待できます。
二階建てで耐震性を強化する場合は、強固な柱や壁が必要です。その結果、建築費用が高くなったり、設計や間取りに制限が出たりする可能性があります。
ただし、津波や川の氾濫といった水害には、二階部分がある二階建てのほうが安全性が高いといえるでしょう。
平屋と二階建てのメリット・デメリット
ここでは、平屋と二階建てのメリット・デメリットを紹介します。
平屋のメリット・デメリット
平屋のメリット・デメリットは以下のとおりです。
| メリット | デメリット |
| ・スムーズな動線を確保しやすい
・間取りの自由度が高い ・コミュニケーションをとりやすい ・地震における耐震性が優れている |
・間取りによっては広い土地が必要
・建築費用や維持費が高くなりやすい(特に固定資産税) ・プライバシーの確保や防犯性を高めるための工夫が欠かせない |
平屋は間取りの自由度が高く、家事効率や快適性を高められるスムーズな動線を確保しやすいメリットがあります。また、同じスペースで家族が過ごす時間が多くなるため、自然なコミュニケーションも生まれやすいでしょう。
一方、二階建てよりも広い土地が必要、建築費用や維持費が高くなりやすい、といったデメリットがあります。地域や場所によっては広い土地を確保するのが難しいため、事前の確認・調査が必須です。
加えて、プライバシーの確保や防犯性を高めるための工夫も欠かせません。
二階建てのメリット・デメリット
二階建てのメリット・デメリットは以下のとおりです。
| メリット | デメリット |
| ・プライバシー確保や防犯性に優れている
・家族構成の変化に対応しやすい ・狭い土地でも理想を取り入れた住宅を実現しやすい ・平屋よりも建築コストを抑えられる場合が多い |
・上下動線が生じやすい
・特に地震の影響を受けやすい ・外壁のメンテナンス費用が高くなりやすい |
二階建ての大きなメリットは、狭い土地でも理想の住宅を実現しやすい点です。都市部でも比較的土地を確保しやすく、建築コストを抑えられる場合もあります。
一方、上下動線が生まれるため、子どもや高齢の家族がいる場合は、安全性を考慮して設計する必要があります。また、特に地震の影響を受けやすいほか、外壁のメンテナンス費用が高額になりやすい点にも注意が必要です。
平屋が向いている人の特徴
平屋が向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 小さな子どもや高齢者と一緒に暮らす人
- 積極的に家族とコミュニケーションを取りたい人
- スムーズな生活動線を確保したい人
- 家族の理想を詰め込んだ間取りを実現したい人
- 地震や災害に備えた住宅を建てたい人
平屋は家族がワンフロアで過ごせる間取りのため、周囲まで目が届きやすく、小さな子どもや高齢者も安心して暮らせます。また、家族が同じスペースで過ごす時間が多くなるため、積極的にコミュニケーションを取りたいと考える人にも向いています。
「理想を詰め込みたい」「家事を効率化できる動線を確保したい」「地震に強い家をつくりたい」という人にも、平屋住宅がおすすめです。
二階建てが向いている人の特徴
二階建てが向いている人の特徴は以下のとおりです。
- プライバシーを確保できる空間を実現したい人
- 土地の面積や建築コストを抑えたい人
- 駅チカのエリアや市街地に住みたい人
二階建ては「市街地で広い土地の確保が難しい」「家族のプライバシーを確保したい」と考える人に向いています。
特に、二世帯で暮らす・思春期の子どもがいるといった場合は、二階建てにすることで、それぞれが落ち着いた空間で過ごせる快適な住居を実現できるでしょう。
平屋と二階建て、それぞれの施工事例をチェック!
ここからは、平屋と二階建ての施工事例を紹介します。平屋ベースの二階建てやロフト付き平屋の事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
愛犬も子どもも心地いい平屋
「愛犬も子どもものびのびと暮らせる家」という想いを詰め込んだ平屋の施工事例です。
住宅の中心に中庭を設け、どの部屋にもたっぷりと光が差し込む設計を取り入れました。また、玄関とお風呂の動線をつなぐことで、散歩から帰った愛犬をそのまま洗える間取りになっています。
来客スペースを独立させたことで、誰が来ても家族が落ち着いて暮らせる住居に仕上がっています。
屋根裏で本を楽しむロフト付きの平屋
家族みんなで本を楽しめるロフト付き平屋の施工事例です。スケルトン階段を採用し、部屋全体の圧迫感を軽減しています。階段下にデスクを設けるなど、デッドスペースもうまく活用しました。
ロフトを付けたことで、吹き抜けの天井が高くなり、自然光がたっぷりと入る明るい空間に仕上がりました。
平屋ベースの二階建て
「隣の桜を見ながら食事できること」というご主人の希望を叶えた平屋ベースの二階建ての施工事例です。「平屋ベースの二階建て」とは、平屋の一部分のみに二階を設けた住宅を指します。
ダイニングだけでなく、リビングや鉄骨階段からも桜が見えるように設計しました。断熱性能の高さから、北側の借景でも肌寒さを感じません。
キッチンからつづくテーブルは、子どもの宿題や読書もでき、家族同士のコミュニケーションの場としても活躍しています。
塗り壁と木が映える落ち着きのある四角い二階建て
塗り壁と木が映える、落ち着きのある二階建ての施工事例です。庭を広くとることで隣家との距離を確保し、家族が安心して暮らせる空間を実現しました。
一階と二階の間の吹き抜けからはたっぷりと自然光が入り、穏やかな時間が流れています。読書やワークスペースになる一階の小上がりに加え、二階にもフリースペースを設けており、家族が気兼ねなくくつろげる住まいが完成しました。
塗り壁と木が映える落ち着きのある四角い二階建ての施工事例を見る
平屋と二階建てのメリット・デメリットを理解し、家族に合った住宅を選択しよう
平屋と二階建てには、それぞれメリット・デメリットがあります。各ポイントを比較したうえで「自分たち家族にとってちょうど良い家」を実現しましょう。
コラボハウスでは、設計士がイチからサポートして「理想の住宅づくり」をお手伝いいたします。おしゃれなデザインだけでなく、利便性に優れた動線設計までご提案いたしますので、気になる方は、ぜひ気軽に無料相談にお越しください。
平屋と二階建てに関するよくある質問
「平屋+二階建てのような間取り」は可能ですか?
可能です。たとえば、LDKを1階にまとめ、2階に子ども部屋や書斎を設ける「一部二階建て」スタイルがあります。外観は平屋に近く、内部で空間を立体的に活用できます。
平屋+ロフトを設ける場合の注意点は?
断熱・換気・採光の3点に注意が必要です。ロフトは熱がこもりやすいため、天窓や小型エアコンを併用すると快適に過ごせます。収納目的なら低天井でも十分です。
平屋と二階建てで建築コストはどのくらい違いますか?
同じ延床面積なら、一般的に平屋のほうが基礎・屋根面積が広いためコストは高くなります。坪単価で見ると、平屋は約70〜80万円、二階建ては約60〜75万円が目安です。
平屋と二階建ての中間的なスタイルはありますか?
「1.5階建て」と呼ばれるスタイルがあります。1階を中心に暮らし、屋根裏を活用して小さな2階空間を設けることで、平屋の動線性と二階建ての広さを両立できます。
平屋と二階建てのどちらが地震に強いですか?
一般的に、平屋は重心が低く構造的に安定しているため耐震性が高いです。二階建てでも耐震等級3を確保すれば安全性は十分ですが、平屋のほうが揺れにくい傾向があります。
平屋に二階を増築することはできますか?
構造上の条件が合えば可能です。ただし、耐震性能・基礎強度・建ぺい率・容積率など法的条件を確認する必要があります。リノベーション時は専門家による構造計算が必須です。
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