コラム
スキップフロアと吹き抜けのある家づくり
快適な住空間にするポイントとは
家づくり
2025.09.04

マイホームを建てる際に、スキップフロアと吹き抜けの両方を取り入れ、おしゃれで開放感のある空間にしたいと考える方は多いのではないでしょうか。どちらも人気のある間取りですが「デザインは魅力的だけれど、住み心地やコスト面が気になる」「空間を最大限に活用する方法を知りたい」といった声もあります。
そこで本記事では、スキップフロアと吹き抜けを組み合わせた施工事例を紹介しつつ、両方を組み合わせるメリット・デメリット、効果的なスペースの活用方法を解説します。魅力的なマイホームをつくるために、ぜひ参考にしてください。
スキップフロアと吹き抜けを組み合わせた間取りの施工事例
まずは、スキップフロアと吹き抜けの両方を取り入れた、魅力的な施工事例を紹介します。
吹き抜け×スキップフロア×中庭の2階建て
23坪、間口4mの土地に建てた二世帯住宅の施工事例です。吹き抜けが開放感を生み出し、キッチンとリビングをつなぐスキップフロアには、家族の気配を感じながら作業ができるワークスペースを設けました。LDKに囲まれた中庭やロフトなど、自然光を取り込みつつ、限られた空間を活かす工夫がふんだんに盛り込まれています。
吹き抜け×スキップフロア×土間の内と外をつなぐ2階建て
木の温もりを感じられる和モダンなデザインに、スキップフロアと吹き抜けを取り入れて開放感をプラスした施工事例です。1階と2階をつなぐ階段の途中にスキップフロアを設け、本棚を置くことで子どもが好きな絵本を読みながら過ごせるスペースになりました。また、階段下をおもちゃ部屋にすることにより、リビングがすっきりと片付く設計になっています。
吹き抜け×スキップフロア×土間の内と外をつなぐ2階建ての施工事例を見る
スキップフロアと吹き抜けを組み合わせるメリット
床の高さを変えるスキップフロアと、天井の一部をなくす吹き抜けの両方がある間取りにすることで、家の中の雰囲気や暮らしを大きく変えられます。スキップフロアと吹き抜けを組み合わせることで生まれるメリットを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
明るく開放感のある空間になる
吹き抜け部分の天井近くに天窓や高窓を設置すると、室内に自然光を取り込みやすく、室内全体が明るくなります。また、吹き抜けやスキップフロアによって、室内を区切る壁や扉などが減ることで、室内に開放感が生まれます。自然光による明るさと開放感は相性がよく、広々としたスペースで気持ち良く暮らせる空間になるでしょう。
吹き抜けによって減った床面積をスキップフロアで補える
住宅に吹き抜けを設けると2階の床面積が減り、その分部屋や収納スペースが狭くなってしまう可能性があります。一方、スキップフロアをつくると室内空間を立体的に活用できるため、減ってしまった2階の居住スペースを補うことが可能です。スキップフロアの下部を収納スペースにするなどの工夫を取り入れれば、必要なスペースを確保しやすくなります。
空間がつながり家族でコミュニケーションが取りやすくなる
吹き抜けやスキップフロアのある開放的な間取りにすると、家族の気配を感じやすくなり、自然とコミュニケーションが生まれます。たとえば、吹き抜けをリビング部分に設け、2階からリビングを見下ろせるような構造にすると、違う場所にいながら会話をすることも可能です。床の高さが違うスキップフロアがあると、同じ空間にいながらぞれぞれの時間を過ごすことができ、お互いに適度な距離感を保てます。
スキップフロアと吹き抜けを組み合わせた間取りの活用法
スキップフロアと吹き抜けを組み合わせる間取りでは、それぞれの良さを最大限に活かしつつ、スペースを上手に活用することが大切です。以下では、両方のメリットを活かす間取りの活用方法について解説します。
セカンドリビング
セカンドリビングは、メインのリビングとは別に設けるもう一つのリビングスペースです。スキップフロアをセカンドリビングにすると「テレビを見たい場合はメインのリビング」「本を読みたい場合はセカンドリビング」などの使い分けが可能です。同じ空間にいながら、家族がそれぞれの時間を心地よく過ごせます。
書斎
書斎は、読書や書き物をするためのスペースです。読書だけでなく、趣味に没頭する作業スペースとしても利用できます。昼間は吹き抜けから入る自然光のもとで読書や作業ができ、日常生活に豊かさをもたらしてくれるでしょう。壁で仕切らないスキップフロアの書斎であれば、リビングにいる子どもやペットにも目が届きやすく、家族皆が安心して過ごせます。
ワークスペース・スタディルーム
テレワークや作業をするためのワークスペース、または子どもが勉強に集中するためのスタディルームとして活用するのもおすすめです。書斎と同じく、仕事や作業、勉強などに集中したい場合に利用できます。特に子どもが小さいうちは、適度な距離で見守り学習ができるというメリットがあります。仕事や勉強のためにパソコンなどの電子機器を使う場合は、設計の段階でコンセントの位置にも気を配りましょう。
キッズスペース
吹き抜けから自然光が差し込む明るいスキップフロアは、子どもが安全に遊べるスペースとしても活用可能です。スキップフロアはリビングやキッチンから目が届きやすいため、家事をしながら子どもの様子を見守れます。スキップフロアはある程度の高さがあるため、転落防止などの対策を取り入れて安全性を確保することが大切です。
収納スペース
スキップフロアは、使い勝手の良い収納スペースとしても活用できます。生活空間に近く出し入れしやすいため、掃除グッズや日用品のストック、季節用品などを収納しておくと便利です。子育て世帯ではおもちゃ、ペットのいる家庭ではペット用品を収納する場所として活用するのもよいでしょう。ある程度の高さを確保すれば、ヒーターや扇風機など大きめの家電も収納しやすくなります。
多目的スペース
スキップフロアの目的を限定せず、状況に応じてさまざまな用途で使える多目的スペースにする方法もあります。ソファや座椅子を置いて家族のくつろぎスペースにしたり、来客時のゲストルームとして利用したりと、時と場合に応じた使い方が可能です。あらかじめコンセントやアンテナ線、LANケーブルなどを引き込んでおけば、後からパソコンやテレビなどを置くこともできます。
スキップフロアと吹き抜けを組み合わせるデメリット
スキップフロアと吹き抜けを組み合わせた注文住宅は、開放感やデザイン性の高さが魅力ですが、いくつかデメリットもあります。
建ててから後悔しないためにも、どのようなデメリットがあるのかをあらかじめ確認しておきましょう。
冷暖房効率が下がる
スキップフロアと吹き抜けの組み合わせは室内に広い空間を生み出す反面、冷暖房効率の低下につながりやすいというデメリットがあります。快適な室温をキープするために温度設定を極端にしたり、風量を強めたりすると、光熱費が高くなってしまいがちです。特に暖かい空気は上に逃げやすいため、冬場はどれだけエアコンを強くしても居住スペースがなかなか暖まらないこともあります。
ニオイ・音が広がりやすい
吹き抜けによって1階と2階がつながることで、料理中のニオイや家族の生活音などが家全体に広がりやすくなります。生活時間帯が異なる家族がいる場合、テレビの音や足音が届くことで、ストレスの原因になってしまうかもしれません。
掃除の手間がかかる
吹き抜け上部に窓や照明などを設置すると、掃除やメンテナンスが大変です。また、スキップフロアをつくると段差が生まれるため、ロボット掃除機の使用が難しく、毎日の掃除に手間がかかります。スキップフロアや吹き抜けがない住宅と比べると家事に時間を取られがちなため、負担をできるだけ軽くする工夫が必要です。
スキップフロアと吹き抜けを組み合わせる場合の注意点
スキップフロアと吹き抜けがある間取りの魅力を最大限に活かして快適に暮らすために、家づくりを計画する段階で気を付けるべきポイントがあります。ここでは、間取りを決める際の注意点について解説します。
暑さ・寒さ対策をする
スキップフロアと吹き抜けがある家で夏の暑さ・冬の寒さ対策をするには、冷暖房効率を上げる工夫が欠かせません。全館空調を導入したり床暖房を設置したり、大きめの窓を高断熱化したりすることで、少ないエネルギーでも冷暖房効率が向上します。また、家そのものの気密性と断熱性を高めるとより効果的です。エアコンの効率アップには、シーリングファンを取り付けて室内の空気に流れを生み出す方法もよいでしょう。
耐震性の高い工法を採用する
スキップフロアと吹き抜けの組み合わせは広々とした室内空間を確保できる一方で、柱や壁などを配置しづらくなるため、耐震性に不安が出てしまいます。室内の開放感を実現しつつ、耐震性にも優れた安心・安全なマイホームをつくるには、適切な構造設計を行うことが大切です。施工実績が豊富な施工業者に相談し、納得したうえで依頼するのがおすすめです。
間取りの部屋の配置を工夫する
吹き抜けやスキップフロアのある家は空間が連続している構造上、ニオイや音が家中に広がりやすくなります。静かさを重視する寝室などはできるだけ吹き抜け部分から離れた場所に配置して、壁や扉で仕切るといった工夫を施すのがおすすめです。距離を取りつつ物理的に遮断することで、住まいの快適性がアップします。
スキップフロアと吹き抜けの組み合わせでも安全で住み心地のよい家づくりが可能
スキップフロアと吹き抜けを組み合わせると、室内に広々とした空間が生まれてマイホームが開放的で明るい印象になります。ただし、いくつか注意点もあるため、快適に暮らすための工夫を積極的に取り入れましょう。
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