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ピットリビングとは?間取りに採用するメリット・デメリットや注意点

家づくり

2025.08.21

ピットリビングとは?間取りに採用するメリット・デメリットや注意点

家づくりの際に、「ピットリビング」という間取りに興味を持つ方も多いでしょう。おしゃれで個性的な空間として注目されている一方で、実際に採用する際にはどのようなメリットやデメリットがあるのかをしっかり把握しておく必要があります。

本記事では、ピットリビングを間取りに取り入れる際のメリット・デメリットや注意点について詳しく解説します。あわせて実際の施工例も紹介しますので、これから注文住宅を建てる方や、リビングの間取りで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

ピットリビングとは

ピットリビングとは

ピットリビングとは、リビングの一部を一段低く設計したスペースのことです。「ダウンフロア」や「床下げ」とも呼ばれ、段差を設けることで壁や間仕切りを使わずに空間にアクセントをつけられます。一般的に20〜30cm程度の段差を設けることが多く、段差による高低差で視覚的に空間を区切ることが可能です。

スキップフロアとの違い

ピットリビングとスキップフロアは混同されがちですが、実際は大きく異なります。スキップフロアは異なる高さの床が複数ある設計で、各階が半階ずつずれているのが特徴です。床に高低差が生まれる点も同じではあるものの、スキップフロアはピットリビングとは異なり床面積を増やすことが可能です。また、ピットリビングは既存の空間を段差で区切る方法で、空間の使い方にも違いがあります。

ピットリビングのメリット

ピットリビングを採用することで得られる魅力は多数あります。ここでは、主な4つのメリットを見ていきましょう。

自然に空間を仕切れる

段差を一段でもつけることで、空間を自然に仕切れるようになります。壁や間仕切りがなくても視覚的に領域を分けられるため、リビング全体に圧迫感を与えません。ダイニングとくつろぎスペースをゆるやかに分けたい場合などに、特に効果的です。

開放的な空間になる

床が一段低くなることで天井が高く感じられ、視線も抜けるため開放感が生まれます。窓の少ない住宅や面積の限られた空間でも、広さを感じられるでしょう。また、ピットリビングに吹き抜けや天窓・高窓を組み合わせると、より効果的に開放的な空間を演出できます。

個性的で落ち着いた空間になる

ピットリビングは一般的な家庭ではあまりない空間なので、個性的でおしゃれなリビングをつくるのに有効です。一段低い床では、適度なこもり感や安心感を得やすく、リラックスするための空間としても役立ちます。リビングでありながら、まるで隠れ家のような特別な雰囲気を楽しめるでしょう。

活用方法が多様にある

ピットリビングはさまざまな用途として使用できる便利なスペースです。キッズスペースや読書スペース、ホームシアター、ゲストルームなど多岐にわたる活用が可能です。家族構成やライフスタイルの変化に合わせてアレンジできるため、長く愛用される空間になるでしょう。

ピットリビングのデメリット

ピットリビングのデメリット

魅力的なメリットが多い一方で、ピットリビングにはいくつかのデメリットも存在します。事前に把握しておくことで、後悔のない家づくりができるでしょう。

ケガや転倒のリスクがある

床に段差が生まれると、つまずく可能性や転倒・落下の可能性もあるため注意が必要です。特に小さい子どもや高齢者がいる家庭では、十分な対策が必要になります。手すりの設置や段差部分に滑りにくい素材を使用するなど、安全対策を検討しましょう。

冬は冷えやすい

暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まりやすい性質があります。床が低くなるピットリビングの空間では、エアコンをつけていても冬場に寒さを感じる可能性があるため、特に暖房効率を考慮した対策が重要です。

掃除の手間がかかる

段差があるとロボット掃除機の使用ができないため、ピットリビングのスペースは自分で掃除をする必要があります。また、空気の流れでホコリが溜まりやすくなる可能性もあるため、こまめな掃除が欠かせません。掃除機を持ち上げて移動する手間も増えてしまいます。

レイアウトの選択肢が狭まる

段差を設けているピットリビングはスペースが決まっているため、家具のサイズや配置が制限されます。一般的なリビングのように自由な家具の配置や模様替えが難しいため、季節ごとにインテリアを変更するのも難しいかもしれません。事前に計画を立てたうえで、家具・インテリアを選ぶことが大切です。

ピットリビングを採用する場合の注意点

ピットリビングを成功させるためには、設計段階からしっかりとした計画と対策が必要です。以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

メンテナンス性・デザイン性のバランスを考慮して床材を選ぶ

床材選びの際は、メンテナンス性とデザイン性の両方を考慮する必要があります。キズや汚れがつきにくいものを選んだり、用途に合わせた素材にしたり、空間全体のデザインに合わせた素材を選ぶことが重要です。防音性や断熱性にも考慮すると、より快適な暮らしにつながります。

寒さ対策をする

全館空調やシーリングファンの設置によって、冬の寒さ対策に限らず一年を通して快適な室温環境を保つことが可能です。冬場の寒さ対策に限定する場合は、足元の冷えを軽減するために床暖房を設置するのが効果的です。空調設備のグレードアップも検討するとよいでしょう。

空間全体を考慮して天井高を決める

開放感を得られるピットリビングですが、天井を高くしすぎるとかえって落ち着きのない空間になってしまう可能性があります。心地良い空間をつくるためには、床の高さと天井の高さのバランスを考えて設計することが大切です。適度なこもり感も維持できるよう配慮しましょう。

段差の高さに配慮する

どの程度の段差を設けるかは、転倒リスクや掃除の手間なども考えて慎重に決める必要があります。20~30cm程度の段差を設けるのが一般的ですが、安全を考慮する場合は15cm前後がおすすめです。家族構成や使用目的に応じて最適な高さを検討しましょう。

あらかじめ家具の配置を考えておく

家が完成した後だと、家具の配置がうまくいかないケースもあります。元々持っている家具をそのまま使用する場合は、家具の大きさや置きたい場所に合わせてピットリビングの広さを検討しましょう。あらかじめレイアウトを考えておくことで、新しい家具を買う際にも役立ち、失敗のない空間づくりができます。

ピットリビングがある家の施工事例

ここからは、実際にピットリビングを採用した住宅の施工事例を紹介します。それぞれ異なる魅力を持った空間になっているので、参考にしてみてください。

座ると地窓から庭がみえるおしゃれなピットリビング

座ると地窓から庭がみえるおしゃれなピットリビングの内観

アール仕上げの壁がつながりを生み、一段下げた床が空間をゆるやかに区切る住まいです。青色の絨毯が映えるピットリビングで、座ると庭の景色が美しく見える設計になっています。ダイニングは自然光を取り込む設計で、時間の経過とともに漆喰の壁に落ちる陽の光が美しい空間を演出します。

座ると地窓から庭がみえるおしゃれなピットリビングの施工事例を見る

ピットリビングでくつろぐ平屋

ピットリビングでくつろぐ平屋の内観

「ありきたりじゃない自分たちらしい家」をコンセプトに、ピットリビングを中心とした間取りを採用した平屋の事例です。床の高低差が広さを感じさせ、段差に腰掛けてテレビを見たり、ビーズクッションに埋もれたりと自由に過ごせる空間になっています。人を招いて食事会をする際にも、座る場所が多いため便利です。

ピットリビングでくつろぐ平屋の施工事例を見る

室内窓で食とくつろぎの空間を仕切ったナチュラルなピットリビング

室内窓で食とくつろぎの空間を仕切ったナチュラルなピットリビングの内観

リビングとダイニングキッチンを室内窓で仕切り、食とくつろぎの空間を分けてそれぞれの時間を過ごせるように設計された住まいです。海外のインテリアを参考にした色合いや素材感が印象的で、グリーンが日々の暮らしを上質に彩っています。

室内窓で食とくつろぎの空間を仕切ったナチュラルなピットリビングの施工事例を見る

ガーデンライフを楽しむ錆茶色の平屋

ガーデンライフを楽しむ錆茶色の平屋の内観

約240坪の敷地に建てた、新しいのにどこか懐かしさを感じる錆茶色の平屋の事例です。LDKは床の高さや素材を変えてメリハリをつけ、自然とのつながりを感じられます。選び抜いた家具や照明、小物が飾られた邸内は、どこを切り取っても絵になる素敵な空間です。

ガーデンライフを楽しむ錆茶色の平屋の施工事例を見る

ピットリビングのある家で家族団らんできる空間をつくろう

ピットリビングのある家で家族団らんできる空間をつくろう

ピットリビングは段差で空間を区切り、開放感と個性を両立できる魅力的な間取りです。メリット・デメリットを理解して、家族のライフスタイルに合った間取りを検討しましょう。

コラボハウスでは設計士が直接お客様と向き合い、お客様の想いをカタチにした住まいづくりを数多く手がけています。ピットリビングのある家に興味がある方は、ぜひ無料相談をご利用ください。