コラム
ウォークインクローゼットの間取り活用術!
広さ目安や効率的な収納法を解説
家づくり
2025.07.10

暮らしやすい生活空間を実現するためには、収納スペースを十分に確保することが大切です。衣類や身の回りの品々をスッキリと片付ける方法には、ウォークインクローゼットを設けるという選択肢があります。注文住宅にウォークインクローゼットをつくる際に「どのくらいの広さが必要なのか」「デメリットはないのか」と悩むこともあるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ウォークインクローゼットの種類や広さの目安、おすすめの設置場所などについて一挙に解説します。参考になる施工事例についても紹介していますので、ぜひ間取りを決める際の参考にしてください。
ウォークインクローゼットとは
ウォークインクローゼットとは、人がクローゼットの中に入ることができ、内部に歩くスペースが確保されているクローゼットのことです。部屋の壁面に設置される一般的なクローゼットよりも広く、多くの衣類や身の回り品を保管することが可能です。家の間取り図では、頭文字を取って「WIC」と表記されます。
ほかのクローゼットとの違い
一般的なクローゼットは、そもそも人が中に入ることはできず、部屋のように出入りできるウォークインクローゼットよりも小さめです。
人が中に入れるクローゼットには、ウォークインクローゼットのほかに「ウォークスルークローゼット」と呼ばれるタイプもあります。ウォークスルークローゼットとは、出入口が2ヵ所以上あり、人が通り抜けられる収納スペースのことです。ウォークインクローゼットは出入り口が1ヵ所のみで、個室になっているのが特徴です。
ウォークインクローゼットの種類
ウォークインクローゼットにはいくつかの種類があります。以下では、タイプ別の特徴について解説します。
収納棚全面タイプ
収納棚全面タイプは、ウォークインクローゼット内の壁全面が収納棚になっているタイプです。衣服のほかに、細々とした物の収納にも適しています。お気に入りの帽子やバッグなどを飾り、ショールームのようにするのもおすすめです。スペースに余裕があれば、趣味の品物や書類、子どもの工作などの保管・収納にも活用できます。
ユニット棚タイプ
ユニット棚タイプは、ユニットキャビネットを設置して収納スペースを確保するタイプです。造り付けの収納ではないため、荷物の種類や量に合わせてユニットキャビネットを交換できます。汎用性が高く、家族構成やライフスタイルの変化にも柔軟に対応しやすいのが特徴です。ユニットキャビネットを撤去すれば、小部屋としても使えます。
ハンガータイプ
ハンガータイプは、ハンガーパイプをメインに設置し、吊り下げ収納に特化したタイプです。ワンピースやロングコートといった丈が長い服も保管しやすく、服をたたむ手間も省けます。ジャケットやスーツなどのたためない衣類が多い家庭では、特に重宝します。天井近くに枕棚を設けたり、衣装ケースを置いたりすれば、細々とした荷物の収納も可能です。
ウォークインクローゼットの広さ目安
ウォークインクローゼットに必要な広さは、家族構成や荷物の量などによって異なりますが、一般的には2~4畳程度です。ここでは、広さごとの収納力の目安について紹介します。
2畳
夫婦2人暮らしなど世帯人数が2人の場合は、2畳程度の広さが適しています。目安として、150~200着程度の収納が可能です。ただし、左右両側に服をかけられるようにすると、自由に動けるスペースは制限されます。使い勝手も確保するには、配置も工夫しましょう。
3畳
夫婦と子ども1~2人など世帯人数が3~4人の場合は、3畳程度の広さを確保するのがおすすめです。目安として、250~300着程度の収納が可能です。3畳あれば、姿見を置いたり、中で着替えたりする余裕があります。
4畳
世帯人数が4人以上の場合は、4畳程度の広さが適しています。目安として、400着程度の収納が可能です。自由に動ける空間が大きいため、来客時にリビングの物を片付けたいときなどには、一時的な収納スペースとしても使えます。荷物が減ったときには、一角をワークスペースや趣味スペースとして活用することも可能です。
ウォークインクローゼットのメリット・デメリット
ウォークインクローゼットを設置する前に、メリットとデメリットについて確認しておきましょう。
メリット
ウォークインクローゼットには、以下のようなメリットがあります。
- 衣服の収納を1ヵ所にまとめられる
- 季節ごとの衣替えが不要
- 更衣室としても使える
- 居住スペースに衣類や身の回り品を置かずに済む
- スーツケースや季節用品などの大きい荷物も保管できる
- 不要になった場合はほかの用途に転用可能 など
ウォークインクローゼットは一般的なクローゼットよりスペースが広く、収納力も高いため複数の用途に使えるのが大きなメリットです。扉を付ければプライバシーも確保できます。
デメリット
一方、ウォークインクローゼットのデメリットは以下のとおりです。
- 人が歩くスペースには収納ができない
- 一定のスペースが必要
- 物を詰め込みすぎると物置状態になる
- 防虫剤や除湿剤の効果が低下することがある など
ウォークインクローゼットでは、人が通る部分のスペースが収納不可のデッドスペースになるため、レイアウトに工夫が求められます。また、一般的なクローゼットに比べると防虫剤や除湿剤の効果が薄くなりがちなため、虫や湿気の対策も必要です。
ウォークインクローゼットのおすすめの設置場所
注文住宅を企画・設計する際に、ウォークインクローゼットをどこにつくればよいのか迷うこともあるのではないでしょうか。以下では、おすすめの設置場所を紹介します。
寝室
寝室に設置すれば、プライベートな空間で身支度できます。姿見やドレッサーを設置し、朝の準備や就寝前のセルフケアをするスペースにしてもよいでしょう。また、毛布や布団、取り替え用のシーツといったかさばりやすい物もスッキリと片付けられます。
廊下
ウォークインクローゼットをファミリークローゼットにする場合は、家族が行き交う廊下に設置するのがおすすめです。家族全員分の洗濯物を1ヵ所にまとめて収納できるため、家事効率もアップします。通り抜け可能なウォークスルークローゼットにすることで、廊下としての機能も果たせるでしょう。
水回り横
バスルームや洗面所などの水回りに隣接させると、洗面所と行き来がしやすくなり、身支度を手早く行えます。また、洗濯機のあるランドリールームとつなげれば、洗って乾燥させた衣類を収納するための動線がスムーズになり、家事の時短にも効果的です。
ウォークインクローゼットを間取りに採用した施工事例
ここでは、ウォークインクローゼットを設けた施工事例を紹介します。マイホームでの暮らしをイメージするための参考にしてください。
家事をスムーズに行える回遊動線のウォークインクローゼットのある間取り
開放的なランドリールームの近くにウォークインクローゼットを設けた事例です。干した洗濯物をハンガーのまま収納できるため、洗濯物をたたむ手間を削減でき、家事の効率化を実現しました。家の中心にキッチンがある間取りのため、ウォークインクローゼットへのアクセスもスムーズです。
家事をスムーズに行える回遊動線のウォークインクローゼットのある間取りの施工事例を見る
洗面所横に家族全員のウォークインクローゼットのある間取り
洗面所のすぐ横に家族全員が使うためのウォークインクローゼットを設置した事例です。洗顔や着替えなど、身支度のルーティンを最小限の移動で済ませられます。小さな子どもが手や服を汚してしまったときも、洗面所を使ったらその場ですぐに着替えさせることが可能です。
洗面所横に家族全員のウォークインクローゼットのある間取りの施工事例を見る
ウォークインクローゼットをつくる際のポイント
最後に、使い勝手のよいウォークインクローゼットをつくるために押さえておきたいポイントを紹介します。
設置場所
ウォークインクローゼットを無駄なく活用するには、使い方や収納したいものの量に応じて適切な場所に設置することが重要です。何をどのように収納したいのか、出し入れは誰が行うのかなどを想定し、シミュレーションしながら決めましょう。
広さ
広さに関しては、家族の人数を基準に決めることが多いものの、実際に必要なスペースは荷物の量や使い方によっても異なります。例えば、スーツケースやゴルフバッグなど大きめの荷物を多く収納したい場合は、目安よりも広めのスペースを確保するとよいでしょう。家族にとっての使いやすさを考慮しつつ、全体の広さと奥行き・幅を決めることをおすすめします。
レイアウト
空間を最大限に活用するには、レイアウトを工夫することが大切です。収納したい物の量や種類に合わせて棚やパイプを配置し、できる限りデッドスペースを減らしましょう。特に天井近くのスペースは無駄になりやすいため、使用頻度の低い物を置くための枕棚を設置するなどの対策が有効です。
照明・換気計画
ウォークインクローゼット内部の快適性を保つには、照明や換気の確保が必要です。照明が暗いと、荷物を探したり出し入れしたりするのに支障が出ることもあります。部屋全体を明るく照らせる照明を設置し、衣類や棚の影になる部分にはスポットライトを置くのがおすすめです。
また、湿気やニオイがこもると不快感が増し、繊維を食べる虫やカビが発生する原因にもなります。定期的に空気を入れ換えられるよう、開閉可能な小窓や換気扇を設置しましょう。
ウォークインクローゼットを取り入れて快適な間取りを計画しよう
衣類や身の回り品をまとめて収納できるウォークインクローゼットがあると、家の中がスッキリ片付くうえに、家事の時短にもつながります。必要な広さや最適な収納スタイルは家庭によって異なるため、どのように使いたいのか、何を収納したいかを考えたうえで、間取りを決めましょう。
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