コラム
25坪でも可能?ビルトインガレージ付き
注文住宅の間取りづくり
家づくり
2025.06.19

ビルトインガレージ付きの注文住宅を建てたいと考えているものの、コンパクト住宅では難しいのではないかと悩むケースは少なくありません。限られた延床面積でも愛車を安全に保管し、快適な住空間を確保することが可能です。ただし、ビルトインガレージをつくる際には、注意点も考慮しておくことが大切です。
この記事では、25坪でも実現できるビルトインガレージ付き住宅の間取りづくりについて、必要な面積や費用相場、注意点を詳しく解説します。家づくりが初めての方や、予算が限られている方はぜひ参考にしてください。
ビルトインガレージとは
ビルトインガレージとは、建物の一部に組み込まれた駐車スペースのことです。「インナーガレージ」とも呼ばれ、一般的には住宅の1階部分に設けられます。外に設置するカーポートとは違い、壁や屋根で完全に囲まれているため、雨風や紫外線から愛車をしっかり守ることができ、防犯面でも安心です。シャッターを取り付ければ、さらに安全性が高まります。
ビルトインガレージに必要な面積
ビルトインガレージに必要な面積は、車種によって異なります。以下の表を参考にしてください。
車種 | 幅 | 奥行き | 必要面積 |
軽自動車 | 2.0m | 3.6m | 約2.2坪 |
小型乗用車 | 2.3m | 5.0m | 約3.5坪 |
普通乗用車 | 2.5m | 6.0m | 約4.5坪 |
※参照:国土交通省|駐車場設計・施工指針について
車1台分であれば、2〜4坪前後が目安です。車椅子の通行がある場合や収納スペースなど他の用途でも使用する場合は、6坪以上の広さを確保するとよいでしょう。
ビルトインガレージの費用相場
ビルトインガレージの費用相場は、坪単価50万~80万円程度が目安です。車1台分のスペースを確保して5坪のビルトインガレージをつくる場合は250万~400万円、2台分のスペースを確保した10坪だと、500万~800万円程度かかります。
この費用には、シャッターや換気扇、照明などの設備費用も含まれます。ただし、家庭によって必要な広さや設備は異なるので、あくまでも目安として考え、詳しくは専門業者に相談しましょう。
ビルトインガレージの間取り事例
ここでは、実際にビルトインガレージ付きの住宅を建てた事例を紹介します。間取りや使い方の参考にしてください。
暮らしも遊びも楽しむ新居浜ベースのビルトインガレージ
車やバイクが好きなご夫婦がつくった、屋根付きガレージのある平屋です。週末には多くの友人を招くことも多く、リビングもゆったりとした広さを確保しています。奥様の趣味である裁縫に集中できるワークスペースをガレージ横に配置し、世田谷ベースのように暮らしと遊びを両立できる、大人の遊び心をくすぐる空間に仕上がりました。
暮らしも遊びも楽しむ新居浜ベースのビルトインガレージの施工事例を見る
通り土間と離れ和室がある平屋ビルトインガレージ
水平ラインを強調した和モダンな平屋です。来客の多い家であることから、ひとつながりのLDKをゆるやかに区切り、ダイニングはゲストをもてなす場所に、リビングは家族で過ごすプライベートな場所としました。玄関からのびる通り土間には自転車を置き、来客は可動式のスノコから直接ダイニングへアクセスできる動線を確保しています。
通り土間と離れ和室がある平屋ビルトインガレージの施工事例を見る
高台の白いビルトインガレージ
広い分譲地の中で、最も目立つ一角に位置する白いボックス型の住宅です。シンプルな箱型の住宅を白く塗ることで生まれた、洗練されたデザインが特徴的です。ガレージ部分も含めて統一感のある美しい外観を実現しています。白い壁と木の色でまとめたリビング空間は、カラフルな北欧チェアが映えるおしゃれな仕上がりです。
ビルトインガレージをつくるメリット・デメリット
ビルトインガレージを検討する際は、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。
メリット
まずは、ビルトインガレージをつくるメリットとして、以下の3つを紹介します。
愛車を守れる
ビルトインガレージは壁や屋根が付いた空間なので、雨風や紫外線に当たることがありません。シャッターを付けて閉めた状態で保管しておけば、いたずらや盗難の被害も防げます。大切な愛車を長く美しい状態で維持できるのは、大きなメリットです。
屋内のアウトドアスペースを確保できる
ビルトインガレージは屋内にいながら、アウトドア空間としても使えます。BBQをしたり水遊びをしたりと、室内ではできない遊びを手軽に楽しめます。子どもの遊び場としても最適で、雨の日でも安心して体を動かせるでしょう。
狭小地でも駐車スペースをつくれる
都心部のような限られた土地面積で住宅を建てなければならない場合、敷地内に駐車スペースを確保するのが難しいケースがあります。ビルトインガレージであれば、狭小地でも敷地内に駐車スペースを確保できます。ただし、3階建てなど縦に床面積が増える点には注意が必要です。
デメリット
一方で、ビルトインガレージをつくる際のデメリットは以下のとおりです。
居住スペースが削られる
限られた面積で建てる場合、1階部分がガレージになるため、2階以上が主な居住スペースとなります。上に面積を増やす場合は、3階建て以上になって階段の上り下りが負担に感じたり、床面積にも制限がある場合は必要な部屋を確保できなくなったりする可能性があります。
ガレージ部分で発生する音やニオイが室内で気になる
ガレージ内は空気がこもりやすいため、換気が十分でないと排気ガスが溜まった状態になります。また、車のエンジン音やシャッターの開閉音が室内や隣家などに響いて迷惑になる可能性があるため、どちらも十分な対策が必要です。
建築コストがかかる
一般的な木造住宅では、構造上ビルトインガレージをつくるのが難しいため、構造を強化する必要があります。ガレージ部分に採用する壁の強度を高めるなど、設計・部材・構造に費用がかかることを理解しておきましょう。
ビルトインガレージをつくるときの注意点
ビルトインガレージをつくる際は、以下のポイントに注意して計画を進めることが大切です。
騒音・ニオイ対策をする
ガレージ内の車のエンジン音やシャッターの開閉音は、室内に響きやすく近隣の迷惑にもなる可能性があります。そのため、防音材や音が出ない電動シャッターの採用などが効果的です。寝室とガレージを離して配置するなど、間取りを工夫するのも効果的です。
また、車の排気ガスがガレージ内にこもりやすく、ニオイが気になることがあるため、設計段階から十分な換気計画を立てることが重要です。換気扇の設置や、通風を考慮した窓の配置を検討しましょう。
動線を意識してつくる
ガレージと室内の移動が楽になり使い勝手をよくするには、動線の工夫が必要です。主に荷物の運搬がしやすい動線にするとよいでしょう。例えば、以下のような動線を検討することで、日常生活がより便利になります。
- ガレージとシューズインクロークをつなぐ動線
- ガレージとパントリーをつなぐ動線
- ガレージとリビングをつなぐ動線 など
雨の日の買い物帰りなどを想像して計画を立てるとよいでしょう。
将来を見据えて広さを決める
広さを決めるには、車のサイズや台数、ガレージの用途を明確にすると決めやすくなります。ライフスタイルや家族構成の変化によって、車種や台数が変わったりする可能性があるため、変化に対応できるようにしておくと安心です。現在の車だけでなく、将来乗りたい車のことも考慮して、少し余裕を持った広さで計画することをおすすめします。
間取りを工夫して理想のビルトインガレージの家を実現しましょう
25坪の限られた面積でのビルトインガレージは、間取りの工夫によってビルトインガレージ付きの住宅を実現することは可能ですが、ご希望に添えない可能性もあります。メリット・デメリットを理解し、騒音・ニオイ対策や動線計画をしっかりと検討することが成功の鍵となるでしょう。
コラボハウスでは、設計士が直接お客様と向き合い、土地に合った最適な間取りをご提案いたします。ビルトインガレージ付きの家づくりをお考えの方は、ぜひお気軽に無料相談にお越しください。
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