コラム
スキップフロアのあるリビング空間
間取りのつくり方や活用アイデアを紹介
家づくり
2025.06.03

リビングにスキップフロアを取り入れたいものの、間取りをどのように決めたらいいか分からないと悩む方は多いです。空間に立体的な変化を与えるスキップフロアは、家族のつながりや使い勝手を高める工夫として注目されています。ただし、冷暖房効率の低下や耐震性への配慮といった注意点もあります。
本記事では、スキップフロアの基礎知識から間取りのつくり方、活用アイデア、メリット・デメリット、施工事例まで詳しく解説します。家づくりの間取り決めに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
スキップフロアとは
スキップフロアとは、床の高さを変えながら空間をつなぐ立体的な間取りです。横ではなく縦の空間を活用することで、限られた延床面積でも収納や趣味の部屋など多彩なスペースを確保できます。リビングに段差を取り入れると視線が抜け、広がりや開放感も生まれます。スタイルや用途に応じて多様なタイプがあり、設計の自由度が高いのも魅力です。
スキップフロアのタイプ
スキップフロアにはロフト・中二階・半地下・小上がりなど複数のタイプがあります。それぞれの特徴と魅力を以下で紹介します。
ロフト
ロフトは天井裏の空間を活用したスキップフロアの一種で、収納や趣味部屋として使えるのが特徴です。一定の高さや広さなどの条件を満たせば延床面積に含まれず、固定資産税がかからない点も大きな魅力です。
ロフトのある平屋づくりメリット・デメリット、注意点とはは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ロフトのある平屋づくりメリット・デメリット、注意点とは
中二階
中二階は1階と2階の間に設ける中間スペースで、空間を有効活用できるスキップフロアの一形態です。建物全体の高さを変えずに床面積を増やせるため、高さ制限のあるエリアでも柔軟な間取りを実現できます。
半地下
半地下は、床の一部が地面に埋まった構造で、静かで落ち着いた空間をつくれるのが特徴です。一定の条件を満たせば容積率に算入されないため、限られた敷地でも有効に居住スペースを確保できます。
小上がり
小上がりは、リビングの床より一段高くしたスペースで、ゆるやかにゾーニングできるスキップフロアの一種です。畳を敷いて和のくつろぎスペースにするケースが多く、下部を収納として活用できるのも利点です。限られた面積でも多機能に使用できます。
スキップフロアをリビングにつくるメリット
スキップフロアをリビングにつくると、おしゃれで開放的な空間を実現できます。家族とのコミュニケーションが取りやすくなったり、活用幅が広がったりするのも利点です。以下では、各メリットのポイントを解説していきます。
おしゃれで開放的な空間になる
スキップフロアをリビングに取り入れると床の高さに変化が生まれ、おしゃれな空間と個性を演出できます。壁で仕切らないため、縦に視線が広がって開放感を得やすく、実際の広さ以上に広く感じられます。特に狭小住宅では、限られた敷地を立体的かつ有効に活用でき、狭い部屋でも広さを感じられる効果的な間取りです。
家族とコミュニケーションが取りやすくなる
スキップフロアのあるリビングでは、部屋を仕切らずに過ごせるため、家族の気配を自然に感じやすくなります。視線が上下に広がり、同じ空間内で各々が異なる場所にいても、程よい距離感を保ちながらも十分なコミュニケーションが取れます。家族間で自然に会話や活動が増えるため、より温かい家庭環境をつくり出せるでしょう。
多用途に活用できる
リビングにスキップフロアを導入すると、収納スペースや子どもの遊び場、趣味を楽しむ空間として、多用途に活用できます。床の高さを変えれば、新たに独立したスペースを確保でき、リビング内で区切りながらも開放感を持たせられます。小さな書斎を設けたり、おもちゃを収納したり、子どもが自由に遊べる場所としても利用可能です。機能的でありながら、家族全員が使いやすい空間を提供します。
スキップフロアをつくるデメリット
スキップフロアはメリットだけでなく、以下のような注意点もあります。冷暖房効率が下がることや、耐震性の低下、建築コストの上昇などへの留意が必要です。スキップフロアのデメリットと対策ポイントを解説していきます。
冷暖房効率が下がる
スキップフロアは空間が縦に広がるため、冷暖房効率が低下しやすくなります。冷たい空気は下に、暖かい空気は上に滞留する傾向があり、部屋全体の温度を均一に保つのが難しく、光熱費が増える可能性があります。対策としては、断熱性の高い建材を使用したり、空気の循環を促進するため天井にシーリングファンを取り入れたりするのが効果的です。
耐震性の低下につながる
スキップフロアは床の高さに段差を設ける構造のため、建物全体の剛性バランスが崩れやすく、地震時の横揺れに対して弱くなる傾向があります。耐震性の確保に取り組む必要があり、構造計算を踏まえた入念な設計が不可欠です。スキップフロアのある住宅を検討する際は、耐震性能に精通した設計士や施工会社と相談することをおすすめします。
建築コストがかかる
スキップフロアは床の高低差を活かした空間づくりが魅力ですが、構造の複雑化により建築コストが上がりやすいです。特に、床材やクロスの張り分けなど内装面だけでなく、階段や段差の設置にも追加費用が発生します。予算が限られている場合は、全体の設計バランスとコスト配分を見極めながら、慎重に検討することが大切です。
リビングでのスキップフロアの活用間取りアイデア
リビングにおけるスキップフロアは、好みやニーズによってさまざまな活用の仕方があります。吹き抜けと組み合わせたり、キッチンダイニングとして活用したり、和室にしたりするのも効果的です。自分に合った間取りアイデアを考えてみましょう。
吹き抜けとの組み合わせ
スキップフロアは吹き抜けとの相性がよく、視線の抜けが生まれるため、限られたスペースでも広がりを感じられるのが魅力です。高さと奥行きを活かした立体的な空間設計により、コンパクトな住宅でも開放的なリビングを実現できます。
吹き抜けのある間取りとは?おすすめのアイデアとデメリット解消法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
吹き抜けのある間取りとは?おすすめのアイデアとデメリット解消法
キッチンダイニングとして活用
スキップフロアをキッチンダイニングとして活用すれば、リビングと程よくつながる心地よい空間になります。リビング空間とゆるやかに区切ることで、遊んだりくつろいだりする場所と食事をする場所をしっかり分けることが可能です。家族での食事の時間を大切にしたい場合や、会話を楽しみたい場合などにもおすすめです。
和室として活用
スキップフロアをリビング横に和室として取り入れると、多目的に使える便利な空間になります。来客時の応接や子どもの遊び場、昼寝スペースとして活躍するほか、和の落ち着きもプラスされます。機能性とデザイン性を両立した間取りとしておすすめです。
スキップフロアをリビングにつくった家の施工事例
スキップフロアをリビングに取り入れる際に具体的な空間のイメージがつかめるよう、実際の施工事例を3つ紹介します。スキップフロアのあるリビング空間にフォーカスしていますので、参考にしてみてください。
くじらが住む石壁のスキップフロアのある平屋
リビングの一角に段差で生まれたキッズスペースが印象的な、スキップフロアの活用事例です。十分に空間を占有しながら、狭さを感じさせず、アイアンの手すりが視線をすり抜け、高窓から光が差し込むことで豊かさと開放感を演出しています。
バス停が目の前のスキップフロアのある家
狭小地に建つ二世帯住宅の事例です。ロフトとスキップフロアが空間を縦に分け、二世帯それぞれのプライバシーと快適性を守っています。段差は仕切りではなく、遊び心と冒険心をくすぐるアトラクションだと言わんばかりに、活用法が多彩です。
円窓から紅葉を眺める和モダンなスキップフロアのある平屋
リビング内にしつらえた、スタイリッシュな小上がり和洋室が魅力的です。スキップフロア活用の典型ながら、確固たる存在感と奥行きのある空間をつくり出しています。心なしか「ステージ」のようにも見え、植栽が美しい円窓と相まって華があります。
円窓から紅葉を眺める和モダンなスキップフロアのある平屋の施工事例を見る
スキップフロアのあるリビングでおしゃれな空間づくりを
スキップフロアのあるリビングは、おしゃれで開放的な空間を演出したり、家族とのコミュニケーションを増やしたりするのに効果的です。多用途に活用できるメリットがある一方で、少なからずリスクもあるため、スキップフロアをリビングにつくる際は、実績の多い施工業者に相談しましょう。
コラボハウスでは、間取りの要望やライフスタイルを設計士に伝えられるため、理想の家づくりを実現しやすいです。気になることがあれば、いつでも無料相談をご利用ください。
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