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吹き抜けは寒い?
後悔せず冬も快適に過ごすための対策法を伝授

家づくり

2025.05.20

吹き抜けは寒い?後悔せず冬も快適に過ごすための対策法を伝授

上階の床を設けず、複数の階にわたって空間をつなげる吹き抜けは、「おしゃれ」「開放感が増す」といった理由から人気のある間取りです。しかし「吹き抜けは寒い」と聞き、快適性や暮らしへの影響が気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、吹き抜けが寒い理由と、吹き抜けのある家で快適に過ごすための寒さ対策について解説します。吹き抜けのある注文住宅を検討している方は、建築時の参考にしてください。

吹き抜けが寒い理由

吹き抜けが寒い理由

「吹き抜けのある家は寒い」といわれるケースが多いです。冬でも快適に過ごせる家をつくるには、なぜ吹き抜けが寒いのか理由を把握しておきましょう。

​​​​空調効率が低い

上下の部屋をつなげる構造をした吹き抜けのある部屋は、空間が広くなるためどうしても空調効率が下がります。一般的な天井高の部屋と比較するとエアコンの効きが悪く、部屋が暖まるまでに時間がかかったり、設定温度を高めにしたりしなければなりません。エアコンをハイパワーで稼働させれば、その分光熱費がかかります。

冷気が下、暖かい空気が上に滞留しやすい

冷たい空気は下降し、暖かい空気は上昇するという物理的な性質も、吹き抜けが寒くなる理由の一つです。吹き抜けのある部屋では、エアコンを稼働させても温風が上に昇ってしまうため、床に近い部分がなかなか暖まらず、天井付近と床付近とで温度差が生じやすくなります。部屋全体を均一に暖めるには、室内の空気を循環させる工夫が必要です。

家の断熱性能が低い

家の断熱性能が低いと熱が家の外に逃げやすく、いくらエアコンを稼働させてもなかなか室内が暖まりません。特に熱の出入りが大きいのが、窓やドアなどの開口部です。室内が寒いと、家族の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、窓を中心とした住宅の断熱対策が必要です。吹き抜けリビングに大きめの窓を設置する場合は、窓の断熱性能によって室内の快適性が大きく変わってきます。

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吹き抜けに有効な寒さ対策

吹き抜けに有効な寒さ対策

吹き抜けのある注文住宅を建てる際は、寒い時期も暖かく過ごせる工夫を取り入れましょう。以下では、吹き抜け住宅の快適性アップに有効な寒さ対策を紹介します。

シーリングファンを設置する

シーリングファンを天井に近い位置に設置し、上昇した暖かい空気を足元に送って循環させることで、室内の温度差を解消できます。シーリングファンはインテリアとしても存在感があり、設置するだけでおしゃれに見える点も高ポイントです。吹き抜けの天井に取り付ける場合は、掃除やメンテナンスのことも考慮しましょう。天井に密着させず長めのモップが届く位置に吊り下げたり、電動昇降機能付きのタイプにしたりするなどの方法があります。

ロールスクリーン・ブラインドなどを取り入れる

吹き抜け部分に設置している窓に、ロールスクリーンやブラインド、カーテンなどを取り付けることも寒さ対策として有効です。一般的な窓は断熱性が低く、戸締まりをしている状態であってもガラスやサッシを通して熱が逃げてしまいます。断熱性のあるロールスクリーンやカーテンなどを取り付けて夜間などは閉めておくことで、ある程度は室内の熱が逃げるのを防げます。ロールスクリーンであれば高い位置の窓に取り付けても操作しやすく、必要に応じて開閉が可能です。

サーキュレーターを設置する

サーキュレーターには、シーリングファンと同様に空気を循環させ、高低差による室内の気温差をやわらげる効果があります。なおかつ基本的に固定されているシーリングファンとは違い、場所を移動させたり向きを変えたりすることもできるため、空気が滞留しがちな場所にピンポイントで風を向けられます。効果を高めるには、エアコンやシーリングファンと併用するのがおすすめです。また、暖房効率アップだけでなく、室内の換気や部屋干し洗濯物の乾燥などにも使用できます。

仕切りを設置する

室内に仕切りを設置し、エアコンで暖める空間を狭くするのもよい方法です。可動式のパネル間仕切りやロールスクリーン、パーテーションなど、必要に応じて開閉できる仕切りを取り入れましょう。冬場は空間を狭くして暖房効率を上げ、夏場は仕切りをなくして風通しを確保するなど、気候や気温に合わせた使い方ができます。透明や半透明のタイプであれば、明るさや開放感も失われません。インテリアに合ったデザインのものを選びましょう。

吹き抜け部分の面積を調整する

空間が広くなるほど空調効率が低くなってしまうため、吹き抜け部分を小さくすることも寒さを軽減するのに有効です。リビング全体を吹き抜けにするのではなく階段部分のみにとどめる、高さを調整してハーフ吹き抜けにするなどの方法があります。
ただし、吹き抜けの高さや広さを変えると、採光の確保や間取り、室内のデザインにも関わってくるため十分に検討しましょう。どの部分にどのくらいのサイズの吹き抜けをつくるかは、施工業者と相談しながら決めるのがおすすめです。

熱交換換気システムを採用する

熱交換換気システムを採用すると、熱の放出を防ぎながら換気を行えます。熱交換換気システムとは、換気の際に排出される空気(排気)から熱を回収し、取り入れる空気(給気)に伝える機能を備えた換気システムのことです。
冬場に換気するとき、暖かい空気を出して冷たい外気をそのまま取り入れると、それだけで室内が寒くなってしまいます。性能の高い第一種換気システムを用いれば、換気による温度変化が少なくなるため室温の低下を防げます。

全館空調システムを導入する

全館空調システムとは、リビングやダイニング、キッチン、居室、バスルーム、トイレにいたるまで、住宅全体の室温を均一に保つシステムのことです。吹き抜けの空間全体を空調できるため、エアコンを使用する場合と比べて室内の気温差が生まれにくく、快適に過ごせます。さらに、エアコンのように吹き出てくる風によるストレスもなく、「脱衣所が極端に寒い」「部屋は暖かいのに廊下が冷える」といったこともありません。温度差が原因となるヒートショックの対策としても有効です。

窓の断熱性能を高める

窓そのものの断熱性能を高めるだけでも、家の断熱性能がアップします。窓は熱の出入りが多い場所であり、冬に室内を暖めても、窓を伝って熱が出ていってしまいます。特に、大きめの窓を設置することが多いリビングで快適に過ごすには、窓の断熱性を高めることが重要です。窓の断熱には、二重窓にする、複層ガラスにする、熱伝導率の低いサッシにするといった方法があります。加えて、ある程度の断熱性を持ったロールスクリーンやカーテンなども設置するとよいでしょう。

床暖房を設置する

冬場は足元を暖めるだけで体感温度が変わり、寒さを感じにくくなります。床暖房を設置すると、エアコンの温風が届きにくい足元を効率的に暖められます。床暖房はストーブのように転倒やヤケドなどを心配する必要がなく、エアコンのような風による不快感もありません。小さな子どもも安心してのびのびと遊ばせられます。ただし、設置には面積に応じた費用がかかるため初期投資が必要です。加えて、ランニングコストも発生します。

高気密・高断熱住宅にする

吹き抜けがある家で寒さを気にせず過ごすには、室内の熱を逃がさないことが重要です。住宅を高気密・高断熱にすることが、寒さへの根本的な解決策となります。
高気密・高断熱の住宅を建てるには、設計の段階から計画しなければなりません。外気温の影響を受けにくくするために、壁や屋根には高性能な断熱材を入れましょう。さらに気密シートを使ってすき間を減らし、窓は樹脂製のサッシや複層ガラスを採用するなど気密性を高めることも大切です。高気密・高断熱であれば、年間を通して快適な室温をキープできるでしょう。

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吹き抜けをつくる際は寒さ対策を万全に

吹き抜けをつくる際は寒さ対策を万全に

吹き抜けのある家を建てる際は、冬場の寒さに向けた対策を練る必要があります。室内が寒いと、せっかくのマイホームで快適に過ごせないだけでなく、心身の健康にもよくない影響を与えかねません。住宅そのものの断熱性や気密性を高め、室内の空気を循環させるなどの工夫を取り入れましょう。

愛媛県・香川県・岡山県・徳島県・大阪府・秋田県で一年中快適に過ごせる注文住宅をお考えの際は、コラボハウスの無料相談をご活用ください。設計士がお話を伺い、最適な間取りや設備をご提案いたします。

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