コラム
吹き抜け階段とは?
おしゃれな間取り決めのポイントを事例付きで解説
家づくり
2025.05.20

家づくりをする際に、吹き抜けと階段を組み合わせた間取りに憧れを持つ方は多いです。開放感があっておしゃれな空間をつくれる吹き抜け階段ですが、「どう取り入れたらいいのかわからない」「メリットやデメリットを知りたい」と疑問に思う方も少なくありません。
この記事では、吹き抜け階段の実例を紹介しながら、メリット・デメリットや注意点を詳しく解説します。家づくりを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
吹き抜け階段を間取りに取り入れた施工事例
魅力的な吹き抜け階段のある住まいをイメージしやすくするために、まずは実際の施工事例を紹介します。それぞれ個性的でありながら、吹き抜け階段ならではの開放感や明るさを感じられる住まいを見てみましょう。
吹き抜け本棚があるグレーの家
約22帖のLDKに吹き抜けとスケルトン階段を配置し、特徴的な大きな本棚が目を引く住まいです。リビングとダイニングはL字型に配置され、ウッドデッキに直接出られる設計になっています。冬の寒さ対策として、リビング、ダイニング、キッチンそれぞれに床暖房を設置し、快適性も配慮されています。
ピットリビングでくつろぐ三角屋根の家
床を一段下げたピットリビングと吹き抜け、鉄骨階段を組み合わせた開放的な空間が特徴です。階段周りの吹き抜けがリビングに開放感をもたらし、段差に腰かけることでくつろぎ方にも変化が生まれています。「開放感のある家」「散らからない家」「帰りたくなる家」というコンセプトを実現した、機能性とデザイン性を両立した住まいです。
階段越しの中庭が美しい家
中庭をコの字型に囲む間取りによって、プライバシーを確保しながらも開放感のある空間を実現しています。アイアンと木材を組み合わせたスケルトン階段が空間のアクセントとなり、階段越しに中庭が見えるソファが特等席です。高窓から自然光も取り入れられ、室内の奥まで光が届く工夫がされています。
吹き抜け階段のメリット
吹き抜け階段には、多くのメリットがあります。家づくりに取り入れる前に、それぞれのメリットを確認し、家族の暮らしに合うかを検討してみましょう。
開放的で明るい空間になる
一般的な階段は壁に囲まれており、暗く閉塞感を感じることがあります。一方で、吹き抜け階段は天井が高く視線が抜ける設計のため、開放的な印象を与えます。吹き抜け部分の高い位置に窓を設けることで、上から豊かな自然光を取り込むことができ、階段だけでなく周辺の空間も明るく開放的になるでしょう。狭い敷地でも、広々とした印象を与えられるのが大きな魅力です。
インテリアとしても楽しめる
吹き抜け階段はデザイン性の高い間取りの一つで、住まいの中心となるインテリアとしても楽しめます。廊下に吹き抜け階段をつくる場合は階段下に小さな坪庭を設けたり、リビングの吹き抜け階段では大きな窓を設置したりすると効果的です。階段の素材や手すりのデザインにこだわることで、空間全体のおしゃれさを引き立てられるでしょう。
階段下を収納などに活用できる
吹き抜け階段の下の部分は、収納スペースとして有効活用できます。階段は住まいの中で大きなスペースを取るため、その分だけ収納が不足しがちです。階段下は通常デッドスペースになりやすい場所ですが、収納として活用することで空間を無駄なく使えます。設計の段階から階段下の収納を考慮すれば、より使い勝手のよい住まいを実現できるでしょう。
家族間のコミュニケーションを取りやすい
吹き抜け階段は音が響きやすく、違う階にいる家族とも会話がしやすいです。リビングに吹き抜け階段を設けると、リビングが1階と2階の通り道となり、家族と自然に顔を合わせる機会が増えます。何気ない挨拶や会話が増えることで、家族のコミュニケーションが自然と促進されるでしょう。
吹き抜け階段のデメリット
吹き抜け階段には魅力的なメリットがある一方で、考慮すべきデメリットもあります。家族構成やライフスタイルに合わせて、デメリットへの対策も検討しておきましょう。
冬の寒さを感じやすい
吹き抜け階段のデメリットの一つは、冬場の寒さです。吹き抜けにより室内の空気の体積が大きくなるため、暖房の効きが悪くなります。特に暖かい空気は上に上がる性質があるため、1階の床付近は冷え込みやすくなります。冬でも快適に過ごせるようにするには、家全体の断熱性能を高めるなど総合的な対策も考慮しなければなりません。
子どもや高齢者などの落下リスクがある
吹き抜け階段では、小さな子どもや足腰の弱い高齢者の落下リスクに対する対策が必要です。特にデザイン性を重視したスケルトン階段は、小さい子どもが隙間から落下する危険性が高まります。おしゃれな見た目だけでなく、家族全員が安全に使えるかといった点も重視して計画することが大切です。子どもの成長や、将来の家族構成の変化も視野に入れて検討しましょう。
ニオイや音が家全体に広がりやすい
吹き抜けをつくると空気の流れがよく広い空間になるため、ニオイや音が家全体に広がりやすくなります。キッチンの場合は調理中のニオイや煙、リビングの場合はテレビの音や会話、玄関・廊下の場合は靴のニオイやドアの開閉音などが気になることがあります。家族それぞれの生活リズムが異なる場合は、ニオイや音が他の家族にとってストレスになる可能性がある点も考慮すべきでしょう。
来客時に家族のプライバシーを確保しづらい
リビングに吹き抜け階段がある間取りの場合、2階に部屋がある家族は来客時でもリビングを通らないと移動できません。来客中にキッチンやトイレに行きたい場合も、客間を通る必要があるため行動が制限されます。特に気を遣うタイプの来客が多い家庭では、家族の負担になる可能性があります。プライバシーの確保と開放感のバランスの取り方は、家族の生活スタイルに合わせて考えましょう。
吹き抜け階段をつくる際のポイント
吹き抜け階段のメリットを活かしつつデメリットを軽減するには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。以下で紹介するポイントを把握し、家づくりを進める際の参考にしてください。
手すり・ガードを設置する
小さな子どもがいる家庭では、階段の最下部にガードを設置することで落下や転倒のリスクを減らせます。スケルトン階段だと隙間から落下する危険性もあるため、隙間を小さくするなどの工夫も必要です。大人でも不注意で足を滑らせることがあるため手すりを設置し、デザイン性と安全性を両立させましょう。
間取りの工夫が必要
吹き抜け階段の音漏れやニオイの広がりが気になる場合は、間取りを工夫することで軽減できる場合があります。例えば、キッチンを引き戸などで仕切れるようにしたり、寝室や子ども部屋など静かに過ごしたい部屋を吹き抜け部分から離して配置したりするのが効果的です。来客時のプライバシー確保のために、2階への動線を工夫するなど、家族のライフスタイルに合わせた間取り計画を考えましょう。
断熱対策をする
吹き抜け階段で気になる冬場の寒さは、しっかりとした断熱対策が必要です。シーリングファンを設置して暖かい空気を循環させたり、床暖房を導入して足元から暖めたりする方法があります。窓にはペアガラスや断熱サッシを使用し、家全体の断熱性能を高めることで、年間を通して快適に過ごせる住まいになるでしょう。
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吹き抜け階段でおしゃれな住宅づくりを
吹き抜け階段は開放感や明るさ、デザイン性の高さなど多くのメリットがある一方で、冬場の寒さや安全面、音・ニオイの問題など考慮すべき点もあります。今回紹介した実例やポイントを参考に、ライフスタイルに合った吹き抜け階段の取り入れ方を検討してみてください。
コラボハウスでは、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせて設計士とつくる注文住宅を提供しています。吹き抜け階段をはじめ、家づくりに関するご相談やご質問があれば、ぜひ無料相談をご利用ください。
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