コラム
【L字(エル字)の家】
平屋の間取りづくりのポイントを解説
家づくり
2025.05.04

平屋の注文住宅にはさまざまなスタイルがあります。マイホームの間取りや形状について検討する際に、L字(エル字)の家が気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、L字の家と一般的な四角形の家との違いに焦点を当てつつ、L字の平屋の特徴やメリット・デメリット、施工事例などを解説します。家族が健やかに暮らせる理想の平屋を建てる際の参考にしてください。
L字(エル字)の家|平屋の間取りとは
L字の平屋とは、建物を真上から見たときに形状がアルファベットのL字になっている1階建ての家のことです。一般的には、直角になった建物で庭や駐車場を囲う形で建築するため、庭にプライベート感が生まれます。外観は個性的な印象になるため、センスや趣味を表現できたり、我が家への愛着が深まったりするという側面もあります。
コの字型の平屋の魅力!施工事例とあわせて間取り決めのポイントを解説は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
コの字型の平屋の魅力!施工事例とあわせて間取り決めのポイントを解説
L字(エル字)の家|平屋間取りのメリット
L字の家を建てるときに気になるのが、一般的な四角形の住宅との違いや、特殊な形をしているからこそのメリット・デメリットです。まずは、L字の平屋ならではのメリットを詳しく解説します。
おしゃれな外観になる
L字の住宅は見る角度によって形が異なり、一般的な四角形の住宅よりも個性的でおしゃれな印象を与えます。建物が二方向に張り出しているため見た目にも凹凸があり、奥行き感を出せるため存在感があるのも特徴の一つです。
さらに、外壁や屋根のカラー・素材にこだわることで個性をプラスでき、何年経っても飽きないマイホームになるでしょう。
採光・通風を確保しやすい
一般的な四角形の平屋は、建物の中心部に屋外と面していない部屋ができる場合があります。中心部にある部屋は窓が設置できず、暗かったり風通しが悪かったりします。
一方で、L字型の建物は各部屋に窓を設置しやすく、採光・通風を確保しやすい点がメリットです。自然光をたっぷりと取り入れることで昼間に電気を点ける必要がなくなり、電気代の節約にもつながります。
不整形地にも対応しやすい
三角地や台形地、旗竿地といった不整形地に家を建てる場合は、正方形や長方形の土地と比べて建物の形状や間取りが制限されがちです。しかし、L字型の家であれば、敷地を有効活用できる可能性があります。
また、不整形地は価格が相場よりも低めに設定されていることが多く、土地の選び方によっては費用を抑えられるのもメリットです。土地を予算よりも安く購入できれば、家の設備をグレードアップすることも可能です。
プライバシーに配慮しやすい
建物をL字の形状にすると庭の二方向を囲う形になるため、庭のプライベート感が増します。壁に大きめの窓を設置したいときも、庭側に設置すれば外から室内が見えにくくなり、プライバシーを確保するのに効果的です。
また、一般的な平屋はすべての部屋が同じ階にあるため、家族の距離感が近すぎると感じることがあります。一方で、L字型であれば建物は各部屋が自然と離れるため、適度な距離感を保てます。
L字(エル字)の家|平屋間取りのデメリット
L字の平屋は人気のスタイルではあるものの、デメリットがないわけではありません。以下で、L字の家のデメリットについても確認しておきましょう。
間取りの自由度が低くなる
L字の家は、一般的な四角形の家と比べると間取りの自由度が下がる可能性があります。L字の中に必要な間取りを収めようとすると、広さや配置が限定されがちです。特に建物の幅が狭めの場合は、部屋の広さを確保したうえでの工夫がしづらく、廊下などの動線の確保が難しくなるケースも出てきます。
耐震性に不安がある
建物は、形状がシンプルなほど耐震性が高くなります。一般的に平屋は1階部分しかないという点で、2階建てや3階建てなどと比べると耐震性が高めです。しかし、建物に凹凸がある形状なので、四角形の家とは耐震性能に違いが出る点に注意しましょう。家族全員が安心・安全に暮らすには、耐震性能にも目を向ける必要があります。
建築コスト・メンテナンスコストが高くなる
L字型のように四角形よりも複雑な形状をした建物は、建築コストが高くなりがちです。特に、L字のコーナー部分は強度が低くなるため、場合によっては補強をしなければなりません。さらに、将来的にメンテナンスを行う場合にも、一般的な形状の平屋に比べて費用が高くなる可能性があります。安く取得した変形地にL字の平屋をつくったとしても、その分建築やメンテナンスに費用がかかり、トータルコストが変わらないケースもあるため注意が必要です。
L字(エル字)の家|平屋間取りの活用方法
L字の平屋で快適かつ便利に暮らすには、個性的な形を最大限に活かす工夫をしましょう。以下では、L字の家をより魅力的に活用する方法を紹介します。
開放的な中庭をつくる
L字の形状を活かすには、中庭をつくることが大切です。LDKと中庭を隣接させることで屋内と屋外が一続きのスペースのように見えるため、視覚的な開放感を楽しめます。また、LDKから中庭へ直接出られるようにして中庭をリビングの一部として使えば、リビングをコンパクトにできてほかの部屋にスペースを使うことが可能です。中庭を間取りの一部として組み込むことで、床面積が限られている場合でも開放感のある空間を確保できるでしょう。
駐車スペースを確保する
L字の凹んでいる部分は、自家用車の駐車スペースにも活用できます。予算や建物の形状によっては、ビルトインガレージにしてもよいでしょう。
ただし、駐車スペースに屋根やカーポートを設置すると、日光が遮られて室内の採光に影響が出ることもあるため注意が必要です。場合によっては屋根やカーポートが建築物扱いになり、建てられない可能性もあるため事前に確認しましょう。
生活動線を確保する
L字の家では、室内の移動距離が長くなりがちです。スペースを最大限に活かしつつ利便性を確保するには、廊下など無駄なスペースをできるだけ省きましょう。家具の配置も考慮して生活動線を確保し、できるだけ移動距離を減らすことが大切です。室内での移動距離を減らせば、家事の手間も楽になるでしょう。
収納スペースのつくり方を工夫する
間取りに制限が生まれやすいL字の家で収納スペースを増やすには、廊下や壁面をはじめ、見落としがちなデッドスペースを有効活用するのがおすすめです。スキップフロアをつくり、段差の下部分を収納にしてもよいでしょう。どこに何を収納するかを家族で共有し、ルールを決めてある程度まとめておくと、収納効率が上がります。
家族が集まりやすい空間にする
L字型の平屋では、LDKを中心に配置することが重要です。リビングから各部屋へのアクセスが良好になるため、家族が自然に集まりやすくなります。例えば、キッチンからリビングが見える配置にすることで、料理をしながら子どもたちの様子を確認でき、コミュニケーションが取りやすくなります。
おしゃれな平屋の外観デザイン|施工事例と家づくりのポイントとはは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
おしゃれな平屋の外観デザイン|施工事例と家づくりのポイントとは
L字(エル字)の平屋の間取り・外観施工事例
ここでは、L字の平屋の施工事例を紹介します。間取りやデザインを決める際の参考にしてください。
背の高い玄関が出迎えるL字(エル字)の平屋
まるで吹き抜けのような玄関が特徴的な住まいです。部分的に高さの違う屋根がアクセントとなり、まるでミュージアムのようなスタイリッシュなデザインが完成しました。LDKが一体となった広い空間からは庭がよく見え、開放感を演出します。また、寝室とバスルームをつなぐ通路の両側には収納スペースがあり、ウォークインクローゼットのように機能しています。
スキップフロアでゆるやかにつながるL字(エル字)の平屋
L字の平屋にスキップフロアを取り入れ、高さの違いによって空間に変化を持たせた住まいです。L字型ならではの奥行きを感じさせる間取りで、建物と塀に囲まれた庭は、家族がくつろげるアウトドアリビングとして活用されています。さらに、ゲストを招いたときのことを考えて浴室や洗面所をリビングと別の動線に配置するなど、プライベート空間を分ける工夫も盛り込まれています。
スキップフロアでゆるやかにつながるL字(エル字)の平屋の施工事例を見る
アメリカンテイストの海と暮らすL字(エル字)の平屋
L字型の住宅に仕事用の空間とプライベート空間を設け、接合部分を玄関にした住まいです。一つの大きな空間となったLDKには大きな窓が設置され、ウッドデッキとその向こうに広がる瀬戸内海の眺めを楽しめます。床にはスキップフロアを設け、高さの違いによって各エリアをゆるく区切っています。壁一面には本棚を造作し、おしゃれな「見せる収納」を実現しました。
アメリカンテイストの海と暮らすL字(エル字)の平屋の施工事例を見る
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L字(エル字)の平屋をつくるには間取りの工夫が重要
L字の平屋づくりでは、できるだけ移動が少なくなるように間取りを工夫して生活動線を確保しましょう。建物に囲まれた庭をどのように活用するかによって、暮らしの満足度が変わります。L字の魅力を最大限に活かし、おしゃれで快適に過ごせるマイホームを実現しましょう。
L字の平屋を検討する際は、豊富な施工実績を持つコラボハウスへご相談ください。家づくりのヒントとアイデアが詰まった無料カタログも請求可能です。ぜひお手にとってご覧ください。
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