コラム
ビルトインガレージを建てると後悔する?
事例別に有効な対策を紹介
家づくり
2025.03.28

ビルトインガレージに興味はあるものの、すでにビルトインガレージをつくった方から「後悔している」という話を聞き、躊躇している方もいるかもしれません。ビルトインガレージは一度つくったらリフォームが難しい点も、後悔しやすい理由の一つでしょう。
この記事では、ビルトインガレージで後悔しやすいポイントと、それぞれの対策方法を解説します。ビルトインガレージをつくってから後悔しないために、ぜひお役立てください。
ビルトインガレージで後悔するポイント
自宅にビルトインガレージをつくった際に、後悔しがちなポイントを6つ紹介します。ぞれぞれ対策も併せて解説しているので、ビルトインガレージを検討している方はぜひ参考にしてください。
狭くて使いづらい
ビルトインガレージの広さを十分に確保できない場合、ドアの開け閉めや荷物の出し入れの際に使いづらく感じてしまうことがあります。また、ガレージが狭く駐車以外にできることが限られてしまうと、使い勝手が悪いと感じることもあるでしょう。
対策:使い方をシミュレーションする
ビルトインガレージをどのように活用するのか、事前に家族でシミュレーションしておくのがおすすめです。所有している車の大きさや台数分の駐車スペースを確保することはもちろん、ドアの開け閉めや、車に乗り降りするスペースも考慮する必要があります。
ガレージを収納スペースや作業場としても使う場合は、その分の広さも確保しましょう。
音が室内に響く
ビルトインガレージは、シャッターの開閉音やエンジンの音が室内まで響きやすく、同居する家族がストレスに感じる可能性があります。また、時間帯によっては、シャッター音が近隣住民の迷惑となってしまうことも懸念されます。
対策:間取りを工夫する、防音性を高める
寝室などの静かに過ごしたい部屋と、ガレージをできるだけ離して配置するように間取りを検討しましょう。また、ガレージに断熱材や吸音効果のある建築資材を使って、音の広がりを抑えることも効果的です。
シャッターはできるだけ静音性の高いものか、自動で開け閉めするタイプを選ぶと、音が響きにくくなるためおすすめです。
建築コストが想像以上に高い
ビルトインガレージのある家は、本来柱のある部分に柱がないなど、通常の住宅とは構造が異なります。耐震性や耐久性を高めるために行う措置によって、建築コストが高くなりやすいのが一般的です。
また、シャッターや照明などの設備に予想以上のコストがかかり、後悔してしまうことも少なくありません。
対策:予算を決める、シンプルな間取り・デザインにする
ビルトインガレージにかけられる予算を、あらかじめ家族で話し合っておきましょう。ビルトインガレージに多くのコストを割く場合、家全体の間取りやデザインをできるだけシンプルにし、ガレージ以外のコストを抑えるのも一つの方法です。
排気ガスが充満する
ビルトインガレージは空間が狭いため、エンジンから出る排気ガスが充満してこもりやすい側面があります。不快に感じるだけでなく、一酸化炭素中毒などの健康被害を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
対策:換気システムを設置する
ビルトインガレージには、空気を循環させるための小窓や換気扇をつけるようにしましょう。換気扇を設置する場合は、ガレージの奥側に大きめのものを2つ設置すると効果的です。
また、ガレージからの排気ガスを室内に入れないよう、ガレージに面している扉や窓は、気密性の高いものにすることも大切です。
車のサイズ・車種が制限される
車を乗り換える場合、ビルトインガレージの大きさによってはサイズや車種が制限されてしまい、後悔するケースも考えられます。
対策:将来のライフスタイルまで考慮して広さを決める
ビルトインガレージは通常の家と異なり増築が難しいうえ、できた場合でも高額になることは避けられません。ビルトインガレージをつくる際は、将来どのようなライフスタイルになるかを予測して広さを検討することが大切です。
例えば、家族が増えたことで車の台数を増やしたり、軽自動車からワンボックスに乗り換えたりする可能性を考慮すると、後悔しにくくなるでしょう。
固定資産税が高い
ビルトインガレージの面積は、延床面積として計上されます。ビルトインガレージを広くすると、その分毎年支払う固定資産税の額が多くなるため注意しましょう。住宅ローンを支払いながら、毎年多額の固定資産税を払うことは、家計に大きく影響します。
対策:目安を把握しておく
マイホームを新築で建てた際、どのくらいの固定資産税がかかるかを事前に把握しておきましょう。固定資産税の目安が把握できていれば、維持費用が予想外に高くなって後悔する事態を防げます。
ビルトインガレージには固定資産税がかかることを頭に入れ、節税対策として採用することのないよう注意が必要です。
ガレージハウスやビルトインガレージについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
快適に暮らすガレージハウスの間取り|魅力や注意点とは
ビルトインガレージの注文住宅|メリット・デメリットや間取り決めのポイントとは
ビルトインガレージをつくるメリット
ビルトインガレージはつくって「後悔した」という声ばかりではなく、良い面もあります。ビルトインガレージのメリットは、主に以下の5つです。
雨風や紫外線から車を守れる
屋根やシャッターがあるビルトインガレージに駐車することで、雨風や紫外線から大切な車を守ることができます。強風による飛来物で車が傷つく心配もないため安心です。
車の価値を下げたくない方や、綺麗な状態をできるだけ長くキープしたい方はメリットが大きいでしょう。
動線がコンパクトで移動がスムーズ
ビルトインガレージから室内に直接入れるドアがあれば、車と家の距離が近くなり移動がスムーズになります。小さい子どもがいる家庭や要介護者がいる家庭、キャンプ用品などで荷物が多くなりがちな家族には、ビルトインガレージは重宝するでしょう。
また、天候が悪い日に雨風に当たらず室内に入れる点も、ビルトインガレージの大きなメリットです。
盗難・いたずらを防止しやすい
ビルトインガレージのシャッターを閉めておくことで、外から在宅か不在かを判別しにくくなり、空き巣などの被害予防に役立ちます。
また、シャッターに鍵をかけておけば、車の盗難やいたずらを防ぐ効果も期待できるでしょう。特に、高級車や希少性の高い車を所有している場合は、ビルトインガレージがあると安心です。
さまざまな用途に活用できる
ビルトインガレージは、駐車スペース以外に収納や趣味の作業場としても活用できます。車のタイヤ交換やアウトドア用品の収納、自転車のメンテナンスなど、幅広い用途に活用できる点が魅力です。
車を停めていないときは、バーベキューやイベントスペースなど、家族団らんや地域の方との交流の場としても使えるでしょう。
容積率の緩和により必要なスペースを確保しやすい
先述したように、ビルトインガレージは延床面積に含まれます。一方で、ビルトインガレージのガレージ部分の面積が、延床面積の5分の1までであれば容積率の計算から除外することが可能です。
例えば、50坪の敷地で容積率が200%の場合、通常であれば延床面積100坪の家が建てられます。しかし、ビルトインガレージは100坪の5分の1の面積である20坪までのガレージであれば、居住スペースを別で100坪確保できるということです。ビルトインガレージを上手に活用すれば、敷地を最大限に活かして家を建てられるでしょう。
実際の後悔したポイントから対策をとってビルトインガレージを検討しよう
ビルトインガレージで後悔しやすいポイントは、事前に対策をとることで解決できる場合がほとんどです。車の盗難が心配な方や、駐車以外のさまざまなことにガレージを利用したいと考えている場合は、ぜひビルトインガレージを検討してみてはいかがでしょうか。
コラボハウスは、おしゃれで暮らしやすいマイホームを設計士と一緒につくる建築士事務所です。ビルトインガレージはもちろん、家族のライフスタイルに合わせた家づくりをサポートしているので、興味のある方はぜひ資料請求してみてください。
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