コラム
吹き抜けのある間取りとは?
おすすめのアイデアとデメリット解消法
家づくり
2025.03.24

明るく開放的な空間づくりをしたいときに取り入れたい間取りが吹き抜けです。吹き抜けの空間に憧れているものの、家づくりを考える中で「本当に快適に暮らせるのかな?」「2階は狭くならない?」と心配な点も多いのではないでしょうか。
吹き抜けには魅力的なメリットが複数ある一方で、考慮すべき点もあります。この記事では、吹き抜けのある間取りのアイデアやメリット・デメリット、施工事例、吹き抜けをつくる際のポイントを紹介します。
吹き抜けのある間取りアイデア
家族の暮らしをより豊かにする吹き抜けの取り入れ方はさまざまです。以下では代表的な3つのアイデアを紹介しながら、それぞれの特徴と魅力を解説します。
スキップフロア
階層の高さを変えて、空間に変化をつけるのがスキップフロアです。吹き抜けと組み合わせることで、限られた空間を有効活用しながら開放感を演出できます。階段の踊り場をキッズスペースや書斎として活用するなど、多彩な使い方が可能な人気の間取りです。
リビング階段
リビングに直接階段を設置するリビング階段は、吹き抜けと相性抜群です。家族が自然と顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションが活発になります。また、インテリアとしても空間のアクセントとなり、デザイン性の高い住まいを実現できます。
玄関吹き抜け
住まいの第一印象を決める玄関を吹き抜けにすれば、明るく迎え入れる空間になるのが魅力です。高窓からたっぷりと光を取り込み、圧迫感のない開放的なエントランスを演出できます。来客時の印象アップにもつながる、おしゃれな間取りのアイデアです。
吹き抜けのある間取りのメリット
吹き抜けを取り入れるメリットは、住まいの快適性と住み心地を高められることです。ここでは、具体的なメリットについて紹介していきます。
開放感がある
屋根部分まで大きく空間が広がる吹き抜けは、圧迫感のない開放的な空間を生み出します。同じ床面積でも天井が低いと狭く感じやすくなりますが、吹き抜けがあれば視線が上部まで抜けることで広がりを感じられるでしょう。特に都心部の狭小住宅では、限られた面積でも開放感のある住まいを実現できるため、吹き抜けが効果的な選択肢です。
明るい空間になる
都心部や住宅密集地では、隣家との距離が近く1階部分に十分な採光を確保することが難しい場合があります。吹き抜けに天窓や高窓を設けることで、2階部分から自然光を取り込み、1階まで明るさを届けることが可能です。日中は照明をつけなくても十分な明るさを確保でき、電気代の節約にもつながるでしょう。北向きの部屋でも、吹き抜けを活用すれば採光の問題を解決できます。
家族とコミュニケーションが取りやすい
吹き抜けは上下階がつながることで、家の中のどこにいても家族の気配を感じられる温かな空間が生まれる点もメリットです。1階と2階で別々の部屋にいても声が届きやすく、家族同士のコミュニケーションが自然と増えるでしょう。リビングにいる家族の様子を2階から確認できたり、子どもの遊ぶ声が程よく聞こえたりと、家族の絆を深める効果も期待できます。
吹き抜けのある間取りのデメリット
吹き抜けには魅力的なメリットがある一方で、いくつかの課題もあります。快適な住まいづくりのために、以下のデメリットを知ったうえで対策をしっかり検討しましょう。
空調効率が下がる
吹き抜けは縦に大きな空間が生まれる分、冷暖房の効きが悪くなりがちです。暖かい空気は上昇するため、1階で暖房をつけても温かい空気が2階に逃げてしまい、なかなか室温が上がらない傾向にあります。
また、空調の効きをよくしようと設定温度を何度も変更することで、光熱費が予想以上に高くなってしまう点にも注意が必要です。
2階の床面積が減る
本来2階の居住スペースとなる部分に吹き抜けを設けるため、2階の床面積が狭くなります。その結果、十分な広さの部屋が確保できなかったり、必要な用途の部屋を設けられなかったりする可能性があるでしょう。
特に収納スペースの確保が難しくなるため、家族構成や将来的な収納ニーズまで考慮した綿密な間取り計画が必要です。
メンテナンスの手間がかかる
吹き抜けの高い所に設置された窓や照明器具は、日常的な清掃やメンテナンスが簡単ではありません。通常の脚立では届かない高さになることも多く、清掃や電球の交換などの際には専用の道具が必要になったり、専門業者に依頼したりする必要があります。また、高い所での作業は危険を伴うため、定期的なメンテナンスがしやすい設計や器具の選択が重要です。
その他の吹き抜けに関する情報は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
吹き抜けのある注文住宅|メリットやデメリット、注意点とは
吹き抜けをつくると後悔する?よくあるケースと有効な対策を紹介
吹き抜けのある間取りの施工例
住まいの雰囲気を大きく変える吹き抜けは、設計の仕方によってさまざまな表情を見せてくれます。実際の施工事例から、吹き抜けを活かした魅力的な家づくりのヒントを見ていきましょう。
曲線が光と視線を導く家
設計士の自邸として設計された住まいで、吹き抜けを中心とした光のデザインが特徴的です。キッチンからダイニングへと続く吹き抜け空間は、アール状の曲線を描き、優美な空間の広がりを生み出しています。
複数の中庭や坪庭と組み合わされた吹き抜けからは、豊かな自然光が降り注ぎ、漆喰の壁に美しい陰影を映し出します。時間とともに変化する光が、暮らしに心地よいリズムをもたらす住まいです。
パッシブデザインの教科書みたいな家
家の中心に設けられた大きな吹き抜けが、パッシブデザインの要となっている住まいです。吹き抜けを活用した重力換気によって自然な空気の流れを生み出し、6畳用エアコン1台で家全体を快適な温度に保つことを可能にしています。壁を極力なくした開放的な吹き抜け空間は、豊かな採光と通風をもたらすだけでなく、家族の気配を自然に感じられる温かな住環境を実現しています。
うちなー時間が流れる高台の家
開放的なダイニングの上部に設けられた曲線を描く吹き抜けが、リゾートホテルのような優雅な空間を演出している住まいです。縦長の窓から吹き抜けを通して降り注ぐ光が、やわらかな明るさをもたらします。吹き抜けを中心に、床の段差や腰壁で緩やかにゾーニングされたLDKは、高台からの眺望と合わさって南国のような開放感と癒しの時間を感じられる住空間です。
間取りに吹き抜けをつくる際のポイント
理想の吹き抜けのある住まいを実現するために、計画段階で押さえておきたい重要なポイントを以下で紹介していきます。
建物の断熱性・気密性を高くする
吹き抜けによる空調効率の低下を補うためには、建物全体の断熱性・気密性を高めることが重要です。主な対策は以下のとおりです。
- 高性能な断熱材を使用する
- 複層ガラスを採用する
- 断熱効果のあるカーテンを取り付ける
上記のような対策により、1年を通して快適な室温を保ちやすく、光熱費の削減にもつながるでしょう。費用を抑えたい場合は、省エネ住宅向けの補助金制度を活用するのがおすすめです。
スペースを有効活用する
吹き抜けによって減少する居住スペースや収納スペースを確保するためには、空間の有効活用が重要です。スペースを有効活用するアイデアとして、以下のような例が挙げられます。
- 階段下のデッドスペースを収納として活用する
- 壁に造作棚を設ける
- スキップフロアを設ける
このようなアイデアを取り入れれば、子どもの遊び場や書斎といった新たな用途のスペースを生み出すことも可能です。
実績豊富な施工業者に依頼する
吹き抜けのメリットを最大限に活かし、デメリットを効果的に解消するには豊富な施工実績を持つ業者選びが重要です。カタログやホームページで過去の施工事例を確認し、吹き抜けのある住宅の設計・施工経験が豊富な業者を選びましょう。
また、具体的な暮らし方をイメージしながら、採光や通風の確保、空調効率などについて設計士に相談することで、理想の住まいづくりが実現できます。
注文住宅の間取りに吹き抜けを取り入れて豊かな暮らしを
吹き抜けのある間取りは開放感や明るさ、家族のコミュニケーションの活性化など、暮らしを豊かにする多くのメリットがあります。一方で、空調効率や床面積の課題もありますが、適切な計画と対策により解決することが可能です。
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