コラム
平屋住宅の間取り決め
人数別の目安や設計時の注意点をポイント解説
家づくり
2025.02.09

新築を検討されている方の中には、平屋に興味がある方も多いでしょう。平屋は二階建ての家とは異なり、ワンフロアに家族全員分の部屋や設備を配置した間取りを考える必要があります。
この記事では、平屋における間取りの決め方やメリット・デメリット、間取りを考えるにあたっての注意点などを解説します。施工事例も紹介しているので、平屋の間取りを考える際はぜひお役立てくさい。
【家族構成別】平屋の間取り目安
まずは家族の人数別に、平屋を建てる際の必要な延床面積と間取りをみていきましょう。
一人暮らしの場合
平屋に一人で住む場合、必要な延床面積は15坪(約50㎡)程度です。間取りは1LDKが基本ですが、趣味の部屋をつくりたい場合や来客が多い場合は、2LDKの間取りにしても良いでしょう。2LDKにする場合は各部屋が狭くなるため、圧迫感を感じにくい工夫を取り入れる必要があります。
二人暮らしの場合
カップルや夫婦など、平屋で二人暮らしを検討している場合は、延床面積20坪(65㎡)程度の広さが目安です。間取りは2LDKや3LDKにすると、それぞれがプライベート空間を持てるでしょう。
三人暮らしの場合
夫婦と子ども一人など三人で平屋暮らしをする場合、延床面積は25〜30坪(約80〜100㎡)程度、間取りは3LDK以上を目安としましょう。家族それぞれが暮らしやすい間取りにすることが大切です。
四人暮らしの場合
子どもが多い世帯や二世帯で暮らす家庭など、家族構成が四人以上の場合は延床面積が30坪(約100㎡)以上あることが理想です。家族それぞれに部屋を用意することを考えると、間取りは4LDK以上が良いでしょう。
平屋間取りのメリット
マイホームを平屋にするメリットは、主に以下のようなものが挙げられます。
動線を確保しやすい
平屋は二階建ての住宅とは異なり、一階にすべての部屋が集約しています。上下の移動がない分、効率的な生活動線や家事動線が確保しやすいことがメリットです。
また、平屋はスペースを効率的に使えるよう、廊下をなくすケースも多いです。廊下がないことで部屋と部屋の距離が短くなってスムーズな移動が叶うほか、家族との距離が近くなるというメリットも得られるでしょう。
ワンフロアで生活できる
階段の上り下りがなくワンフロアで生活できる平屋は、高齢者や障がいのある方にも安心な間取りです。身体的な負担が少ないことはもちろん、転倒のリスクも減るため、安全性を重視したい場合に良いでしょう。
また、階段がないことは家事の負担軽減にもつながるため、平屋は子育て世帯からも注目を集めています。
地震に強い
平屋は建物の高さが抑えられていることから、重心も低く保たれています。重心が低いと建物の構造が安定しやすいため、万が一大きな地震が起こった際も倒壊のリスクが低いことがメリットです。
また、高さが低い建物は強風の影響も受けにくいため、台風から自宅を守ることにもつながります。台風が通過しやすいエリアにお住まいの場合は、平屋を検討すると良いでしょう。
平屋間取りのデメリット
次に、平屋の住宅を建てるデメリットを解説します。
建築コストが高額になりがち
平屋は二階建てよりも建築コストが高くなる傾向にあります。家を建築する際に大きな費用がかかるのが、屋根と基礎です。平屋は屋根や基礎の面積が二階建てよりも大きくなりやすいため、コスト面でデメリットを感じやすいでしょう。
また、家族のためにバリアフリー仕様を導入すると、さらに建築費が高額になりやすいです。建築コストを抑えるためには、廊下をなくして延床面積を狭くするなど、間取りを工夫する必要があります。
浸水リスクが高い
平屋住宅は地震や台風に強い反面、津波や豪雨などによって浸水が発生した際は、避難場所に困ってしまう可能性があります。平屋住宅を建てる際は浸水リスクの低い場所を選んだり、浸水被害に対応している保険に加入したりといった対策が必要です。
プライベート空間を確保しづらい
平屋では、廊下をなくしたり減らしたりすることで居住スペースを多く取ることが一般的です。廊下がない場合、部屋と部屋の距離が近くなりやすいため、隣の部屋の物音や声などが聞こえやすくなります。
家族とはいえ、プライベート空間を確保できずにストレスを感じることもあるでしょう。音によるストレスを軽減したい場合は、リビングと寝室の距離を離すなどの工夫を取り入れることがおすすめです。
平屋の間取りを決める際の注意点
平屋の間取りを決める際は、どのような点に注意したら良いでしょうか。以下では4つのポイントを解説します。
実際のライフスタイルをイメージして動線を考える
平屋は、二階建てと比較して動線が確保しやすい傾向にあります。しかし、深く考えずに間取りを設計すると、家族のプライバシーが思った以上に確保されず、ストレスを感じて暮らしにくくなる可能性があるため注意が必要です。
家の中を快適な空間にするためには、実際に生活しているイメージを持ったうえで、生活しやすい間取りを考えましょう。
採光・通風を確保する
平屋は周りの建物よりも高さが低いことから、日当たりや風通しが悪くなりがちです。特に家の中心部には窓を設けることが難しいため、日中も暗く電気を点けるなど対策が必要になります。間取りを考える際は、単に部屋の位置を決めるだけでなく、採光性や通風性を良くすることも考慮しましょう。
採光性や通風性を良くするためには、天窓を設置したり、中庭を設けたりすることが効果的です。家の形状や窓の位置を工夫すれば、平屋のデメリットを解消できます。
収納を十分に確保する
平屋は部屋のスペースを広く確保することを重視するため、収納が限られやすい傾向があります。縦の空間を活用して屋根裏収納をつくったり、あらかじめ造作棚を設けたりして、意識的に収納を多めに確保するようにしましょう。
収納する物の量やサイズを細かく把握したうえで収納計画を立てれば、引っ越し後に収納が足りなくなるリスクを防ぎやすくなります。
防犯対策を徹底する
平屋は建物の高さが低く外からの視線が入りやすいため、防犯面において心配があります。窓からの侵入を防ぐために窓を二重にしたり、シンボルツリーなどの植物で室内が見えないようしたりするなど工夫しましょう。
窓を割って侵入される可能性を考え、格子や柵をつけるのもおすすめです。また、人感センサーをつければ、防犯意識の高い家であると判断されやすくなり、防犯対策に役立ちます。
【坪数別】平屋間取りの施工事例
最後に、コラボハウスが手がけた平屋の施工事例を紹介します。間取りを考える際の参考にしてください。
20坪台:【25坪】2つのおこもり趣味室がある平屋
25坪の空間に、LDKと夫婦それぞれの趣味部屋をつくった平屋の事例です。LDKは中庭を囲んで配置したL字の窓と、屋根の勾配を利用して高めに設定した天井によって、明るく開放感のある仕上がりになっています。
30坪台:【31坪】アウトドアリビングがある平屋
リビング横に、アウトドアリビングを楽しめるモルタルデッキを設けたことで、開放感ある室内空間を実現した平屋の事例です。リビングとモルタルデッキがひとつながりになった空間は、実際の面積以上に広く見せることができると同時に、採光も確保できます。
40坪台:【41坪】田園を切り取るコの字の平屋
田園風景の中にある、中庭を囲んだコの字型の平屋です。道路側は窓を少なくしてプライバシーを確保し、田園風景側はできるだけ外の景色が楽しめるよう、窓をたっぷり配置しています。開放感のある中庭は、第二のリビングとしても活用できます。
50坪台:【51坪】スキップフロアでゆるやかにつながる平屋
段差によって各スペースの区切りをつけることで、室内全体がゆるやかにつながった平屋です。リビングの外のタイルデッキは、内と外をつなげ室内を広く見せる効果だけでなく、アウトドアリビングとしても幅広く活用できます。
平屋の間取り決めは家族構成やライフスタイルから考えることが大切
平屋の間取りは、家族の人数やライフスタイルに合わせて慎重に決めることが大切です。家は建てるときだけでなく、その後何年も住み続けるため、数年後、数十年後の家族構成や生活の変化も考慮できると良いでしょう。
コラボハウスでは、設計士ならではの視点から土地の形状や広さ、家族構成に合わせた平屋間取りのご提案が可能です。おしゃれなだけでなく、住みやすさも重視した平屋を建てたいと考えている方は、ぜひ一度コラボハウスの完成見学会に遊びに来てください。
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